2021年のニューノーマル：「生き残り」から「繁栄」へ

2020年の春まで、金融機関をはじめ日本の大企業は、オフィスワークが原則でした。複雑な課題に対峙する場合や重要な議論や意思決定をしたい場合はもちろん、通常業務の大半を自社のオフィスにおいて、関係者が一堂に会して遂行していました。コロナ禍の拡大は、出張制限、会議規模の縮小に止まらず、日常業務全般でこうした原則への挑戦を促しました。リモートワークは2020年を通じてニューノーマルとなり、金融機関経営に大きなインパクトをもたらしました。

恒常的なリモートワークは、より優れたリモートミーティング（電話会議やWeb会議）および仮想コラボレーションアプローチ（遠隔地での共同作業）に対する大きな需要を生みだしました。それは、これまでの対面でのミーティングやオフィスワークを例外とし、リモートワークを前提とした業務プロセスに加え、就業規則や人事・勤労管理のルールを必要とします。顧客対応を含む業務の場合、一部のプロセスは根本的に再設計が必要ですし、そのためのより入念な業務計画、UI/ UXを尊重した思慮深いプロセス設計、そして品質と生産性の十分な考慮は、これまでのBPR（業務プロセス再設計）が実現できなかった抜本的な「働き方改革」の実現機会となりました。

加えて、コロナ禍は金融市場に多くの不確実性や大きなボラティリティ（価格や取引量の変動）を引き起こしました。リモートワークの設計と実施は、時間との競争であると同時に、変化への対応力を問われます。つまり、金融機関をはじめ日本の大企業が苦手としてきたアメーバ型組織（情報やデータドリブンな、自律的・可変的な組織運営）への変貌も不可欠です。リモートワークの設計と実施は、仮想的なプロセス設計とその運用上の修正や高度化を必要とします。その過程では、これまでの硬直的なBC/ DR（事業継続・災害対策）の修正を伴うはずです。

ポイントは、この道は逆戻りできないことです。パンデミックを克服した金融機関において、業務継続性の観点だけでなく業務コストや品質、生産性の観点からも、ITによるリモートワークはニューノーマル（新常態）となりつつあります。感染症対策のその先には、コスト削減と生産性向上の両立、そして新たなイノベーションのアリーナが広がるはずです。

2021年のニューノーマルは「生き残り」から「繁栄」へのギアシフトです。金融機関は、顧客である大企業、中小企業、そして消費者への金融サービスを通じて、金融テクノロジーベンダーは、そうした金融機関へのテクノロジー提案を通じて、新興テクノロジーがドライブする新たな金融サービスのゴールは「繁栄」です。

セレントは、グローバルな金融業界においてその「生き残り」と「繁栄」を実現するためのインサイトに注力しています。「トップトレンド」や「IT投資」レポートシリーズ、ニューノーマルにおける業界や地域に特化した動向レポートを通じて、その戦略示唆と提言を発信しています。例えば、

• ニューノーマルへの適応：日本とAPACの金融業界におけるCOVID-19インパクト― 2020年IT予算への影響
• COVID-19パンデミックの状況下での銀行のIT投資戦略
• ニューノーマルへの適応パート1：パンデミックへの対応― 日本とAPACの金融業界におけるCOVID-19インパクト
• ニューノーマルへの適応パート2：2020年IT予算への影響― 日本とAPACの金融業界におけるCOVID-19インパクト
• ニューノーマルへの適応パート3：COVID時代のIT戦略― 新世界の羅針盤
• ニューノーマルに挑む― パート1：新世界の羅針盤を求めて
• ニューノーマルに挑む― パート2：証券業界の対応
• ニューノーマルに挑む― パート3：保険業界の対応
• ニューノーマルに挑む― パート4：銀行業界の対応
• ニューノーマルへのIT適応：LIBORトランジション
• 金融サービスにおけるクラウドの未来

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【セレントサーベイ】2021年のニューノーマル：「生き残り」から「繁栄」へ

セレントは、金融業界における各種の動向調査を定期的に行っています。今回のサーベイでは、パンデミック後1年の新常態（ニューノーマル）におけるITの優先事項を調査します。

質問項目は10問で、ご回答は10分程で完了します。ご回答内容は全て統計的に集計したうえで、弊社調査レポートへ反映致します。調査結果をレポートに記載する際には、個人や個社を特定可能な情報を一切公開致しません。調査にご協力頂いた方には、後日調査結果の概要レポートを提供致します。貴社のお取り組みをお聞かせ下さい。

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