ニューノーマルへの適応 パート1:パンデミックへの対応 ― 日本とAPACの金融業界におけるCOVID-19インパクト
2020/08/08
セレントは、日本とAPACの金融業界におけるCOVID-19インパクトを把握するため、金融機関、ITベンダーを対象にオンラインサーベイと個別インタビューを継続的に実施しています。本稿は、2020年4月に実施した2つのサーベイの結果と分析、「ニューノーマル適応」のインサイトと推奨を提供します。
Abstract
金融機関はそのテクノロジー対応において、COVID-19パンデミック後(After COVID-19: ACと記述)の新常態(ニューノーマル)への対症療法には概ね成功したと言えるでしょう。セレントは、4月に実施したデジタルイベントにおけるグローバルサーベイ結果を発表しています。もちろん、金融サービスは国毎に異なる規制状況や商慣習、消費者の行動様式に大きく依存します。COVID-19パンデミックの展開・収束状況同様に、その金融テクノロジーへの影響は地域差がみられます。
グローバルサーベイは、4つの視点からAC時代のニューノーマルへの対応状況を尋ねています。
- Q1. リモートワーク/ 在宅勤務の有効性
- Q2. 危機対応の中でのIT対応の困難性
- Q3. 危機対応の中での新たなITの導入状況
- Q4. 危機対応後の、クラウド(またはサービスとしてのソフトウェア)の利用計画
サーベイ回答者(440人が最初の質問にオンライン・リアルタイムで回答)はAC時代のIT課題に上手く対処し、将来に向けての準備を開始していると回答しています。今回のサーベイ参加者が、金融機関、ITベンダーともに大手企業に偏ったため良好な対処状況が回答されたことは事実ですが、この初期的な成功に慢心することは危険です。