ニューノーマルへの適応 パート2:2020年IT予算への影響 ― 日本とAPACの金融業界におけるCOVID-19インパクト
2020/08/07
セレントは、日本とAPACの金融業界におけるCOVID-19インパクトを把握するため、金融機関、ITベンダーを対象にオンラインサーベイと個別インタビューを継続的に実施しています。本稿は、2020年4月に実施した2つのサーベイの結果と分析、「ニューノーマル適応」のインサイトと推奨を提供します。
Key research questions
- インパクトが大きい 事業目標は?
- 2020年IT予算へのインパクトは?
- 2020年IT投資計画上の対応と優先事項は?
Abstract
未曽有の緊急事態から新常態(ニューノーマル)への過渡期にあって、日本とAPACの金融機関は段階的にその対症療法を進めたと言えます。
日本においては、政府による「緊急事態宣言」、金融庁ガイドライン「基本的な考え方」の発表前後でサーベイ参加者の回答内容は明らかに変化しました。日本の金融機関の危機対応は、当初は「社内IT体制」の変更、次に「対顧客向けITサポート」、最後に「業界バリューチェーン全体の見直し」と段階的に進展しました。
APAC各地においても、ロックダウンの前後、IMFなど国際機関のマクロ経済指標の発表前後で回答内容は大きく変化しました。APACの金融機関の多くは、自国経済の停滞に加えてクロスボーダー取引の停滞、ITリソースも含めたグローバルサプライチェーンの遅延や破綻を危惧し、「開発・運用体制の危機対応を含めたITソーシングモデルの見直し」に着手するとの声も聞かれました。