DIMENSIONS: リスク管理・コンプライアンスにおけるITの課題と優先事項:2024年版
世界の金融機関によるリスク管理とコンプライアンス関連のIT投資予算は2024年に4.6%増える見通し
Abstract
セレントは世界の金融機関でリスク部門を統括する経営幹部267名を対象に今年で2回目となる「Celent Dimensions Survey 2024—Risk & Compliance」を実施し、そこで得られた知見や見解をもとに業界全体のIT投資の促進要因と今後1年間のテクノロジー/投資に関する優先課題を詳しく分析した。この調査にはリテールバンキング、コーポレートバンキング、キャピタルマーケットおよびウェルスマネジメントの各セクターのあらゆるレベルの金融機関が参加している。
主な調査結果:
- 53%の回答者が金融犯罪対策をリスク管理の優先課題に挙げ、優先順位のトップに浮上した。各社とも金融犯罪防止業務の強化や変革を目指しており、AI/マシンラーニング、クラウド、その他のデジタル技術の導入に前向きである。
- 優先順位トップ5にはこのほかにAI準備体制の強化(回答者の51%)、エマージングリスクの管理(49%)、業務のレジリエンス(46%)、生成AI (41%)が挙がった。
- パブリッククラウドは実行可能なデプロイメントモデルとなり、全てのリスク管理業務で使われるシステムでの導入率は平均28%となっている。
- 金融機関にとってAIは明らかな優先事項である。現在従来型AIのユースケース/概念実証(PoC)を検討中と回答した金融機関の割合は54%と最も高かったほか、今後5年間で最大の影響を及ぼすテクノロジーは生成AIであるとした回答の割合も30%で最高だった。
セレントのレポートシリーズ「Dimensions」は金融機関におけるIT関連の優先課題と投資動向を追跡調査した結果をまとめたもので、IT投資の促進要因やドル建ての投資予想額も示している。同調査では、セレントがリサーチ対象とする全ての分野に対応可能な質問を作成しているため、異なる事業分野の調査結果を比較できるという独自の利点がある。
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