リスク管理・コンプライアンスにおけるAIの先駆者たち:業種を超えた調査と調査結果
2024/06/11
調査した金融機関の多くでリスク/コンプライアンス業務における生成AIユースケースの導入または試験が進行中
Abstract
生成AIはムーンショットから現実へと急浮上している。金融業界における生成AIの導入現状を明らかにするため、セレントは金融機関でイノベーションを統括する経営幹部を対象に調査を実施した。その結果、大部分の金融機関がリスクおよびコンプライアンス業務でユースケースを導入またはテスト中であることがわかった。先行しているのは保険会社と銀行だが、キャピタルマーケッツに参加する金融機関やウェルスマネジメント会社の多くも関連プロジェクトを進めている。
セレントは先に金融機関を対象に、リスク/コンプライアンス業務における生成AIの導入状況、ユースケースごとに期待される影響についての見方、テクノロジーをめぐる自社のアプローチ、近年の経験を通じて明らかになった主な成功要因について調査した。調査対象の金融機関の多くはイノベーションのフロントランナーであり、これらの大半は実際にリスク/コンプライアンス業務で積極的にユースケースの導入または試験を進めている。特に先行しているのは保険会社と銀行だが、キャピタルマーケッツに参加する金融機関やウェルスマネジメント会社の多くも関連プロジェクトを進めている。
これらの金融機関が最も積極的に生成AIの導入を進めている分野は「不正行為の検知・防止」で、「オペレーショナル/エンタープライズリスクおよび規制改正の管理・報告」がこれに続いている。また、財務リスクをめぐる意思決定のサポートを目的とする生成AIの活用も模索している。最終的に、生成AIは金融機関のリスク管理における重要な役割を担い、成長と安定を後押しするだろう。