確定給付型年金ファンドに関する最近の調査データは、セレントが最近行った調査の結果と一致しており、プラットフォームの意思決定に影響を与える
プライベートクレジットと投資適格債は、今後12カ月間にわたって市場で最も高いリスク調整後リターンを生み出すと予想されている。一方で、欧州の確定給付型 (DB) 年金ファンドでは、サステナブル投資や資産運用アウトソースの傾向が強まっている。これらは、Goldman Sachs Asset Managementが126人のシニア・ファンドマネジャーおよびエグゼクティブを対象に2023年11月から12月にかけて実施した調査に基づくものであり、いずれもセレントのキャピタルマーケッツチームが最近提示したインサイトと一致している。
セレントのキャピタルマーケッツチームのリサーチディレクターであるCubillas Dingは、プライベートマーケットへの投資というより広範なカテゴリーは、今後5年間で13%以上の年平均成長率 (CAGR) が見込まれる運用資産 (AuM) の伸びに引き続き寄与するとの予想を示した。 同氏の最近のレポートによると、先進的なゼネラルパートナー (GP) やリミテッドパートナー (LP) は、以下のような変化を促す重要なテーマの下、新たなテクノロジーを受け入れることの重要性をすでに認識していることがわかった。
- ELTIF 2.0や英国のLTAFなど欧州で導入が予定されている規制により、より広範な個人投資家の参入に向けて良好な環境が整いつつある。
- すでにかなりの規模に拡大している機関投資家向けサービスに加え、個人向けウェルスマネジメント/富裕層 (HNWI) 向け資産運用サービスの重要性も高まっており、2025年までに世界のAuMは約1兆5,000億ドルに達する可能性がある。これは、現在プライベート市場に投資されている個人投資家の資産の割合が機関投資家に比べてはるかに低いという事実に基づく比較的控えめな予想である。
- 機関投資家の要求は引き続き厳しく、より高度な投資ソリューションが求められる一方で、「リテール化」の動きが進むことで、今後は規制当局による監視、投資家保護、説明責任が強化されるだろう。また、高度化と成果重視が優先されることで、投資プロセスがますます複雑になり、プライベート市場と公開市場を横断する総合的なポートフォリオ管理のアプローチに向けてオペレーション機能の統合が進むことになる。
- オルタナティブ投資とプライベート市場に対する個人投資家からの需要は、最新の販売エコシステム、ファンドオペレーション業務のデジタル化、トークン化の3つが同時に発展することで促進されるだろう。
さらに、セレントが世界のバイサイド企業の幹部168人を対象に行ったIT戦略と優先事項に関する2023年調査で、IT予算が増加している分野として最も多かった回答は「オルタナティブ/プライベートマーケット・プラットフォーム」であった (下図を参照)。2024年調査はようやく終了したところであり、5月29日には結果を紹介したい(いくつかの新しいレポートを発表する予定)。
Source: Celent Dimensions Survey 2023
GSAMの調査では、プライベートクレジット投資とサステナブル投資の両方にコミットしていると回答した人の割合が高く、全体の90%が「プライベートクレジットへの配分を増やすか維持する予定」、半数近く (45%) が「ポートフォリオ全体の20%以上をサステナブル投資に配分する予定」と回答した。また、投資方針とポートフォリオを決定するにあたって選択したサステナブル投資テーマの中で最も多かったのは、気候変動リスクであった。さらに、「戦略的資産配分の決定に最も大きな影響を与えているものは何か」という質問では、「ESG/世の中を良くする力に関する考慮」という回答が48%となり、「現在の環境における投資機会を考慮した利回りの向上」と並んでトップとなった。アウトソーシングについても同様のコミットメントが示され、回答者の70%がポートフォリオの一部または全部の運用を外部のマネジャーに委託していると答え、その主な理由には、投資の専門知識の拡大と向上を図り、ポートフォリオ管理を推進することが含まれていた。
Goldman Sachsのレポート全文はこちらから閲覧可能。当該レポートは複数のセクションで構成されており、「市場と配分の見通し」、「サステナブル投資」、「資産運用のアウトソーシング」に関する調査の結果を基に、詳細なデータとインサイトが示されている。回答者には、大陸欧州の各国および英国の最高投資責任者、受託者、資産運用責任者、年金マネジャーが含まれている。AuMの規模は様々だが、回答企業の80%は10億ドル以上のAuMを保有していた。
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