ESGデータの課題を解決する次世代テクノロジーの導入
2024/01/03
Abstract
データは、ESGの能力と提案について投資マネジャーを差別化する要因である。ウェルスマネジャーやアセットマネジャーは将来の成長を達成するために、データバリューチェーンに登場した新しいテクノロジーソリューションを活用してデータに関する課題を克服する必要がある。ESG戦略は、投資家にとって競争上の差別化要因にとどまらず、規制上必要不可欠なものになりつつある。
- 環境・社会・ガバナンス (ESG) は、企業活動を評価する非財務情報の3つの柱である。さらに財務指標の範囲を超え、企業が地球、地域社会、ステークホルダーに与える長期的な影響を測定するものである。
- ESG投資を採用する動きは世界レベルで拡大し続けている。しかし金融業界は、変化し続ける複雑なESGデータ規制の環境やデータの客観性の確保など、様々な面で大きな課題に直面している。
- 金融機関では、多くのデータ収集プロセスがサイロ化されて手作業で行われ、スプレッドシートが使用されていることもあり、ESGデータの欠落や要件の管理に苦労しており、より自動化され統合されたソリューションの実現に向けて、ESGデータの管理実務を最新化することが不可欠である。
- ESGデータのモデルは、ESGデータを体系化し管理するための構造化されたフレームワークである。通常、これらのモデルにはESGデータの一連の標準的な定義、カテゴリー、指標が含まれており、これを使用して、金融機関は一貫性のある比較可能な方法で、ESGデータの収集、分析、報告を行うことができる。
- テクノロジー主導のソリューション(特に、新たに登場したコグニティブテクノロジーを組み込んだソリューション)は、データの収集、客観性、コンテキスト化の向上に役立つものであり、規制の状況が変化してESG戦略の必要性が高まる中、特に重要になっている。
- 金融機関は、グローバル性と透明性を重視したダイナミックな規制フレームワークを見越して、ESGのワークフローを統合する機能とツール(例えば、規制上の情報開示、報告、分析など)を評価するのが賢明と言えるだろう。
セレントのウェルスマネジメント業界のESGに関するレポートシリーズは、本レポートで最後となる。
“ESG Initiatives in Motion: A Catalyst for Change”
- Traversing the ESG Plain with Eyes Towards the Horizon: Data as a Differentiator
- It's Not Easy Being Green: Developing the Optimal ESG Portfolio Engine for Wealth Managers and Clients
- Implementing NextGen Technologies to Solve for ESG Data Challenges
このシリーズを執筆する過程で、セレントはESGに関する補足調査*を発表した。
- Unlocking ESG’s Potential for Measurable Impact
- Could Mature Technologies Mitigate the Effects of “Greenwashing” in ESG?
- Managing Sustainability Risk Across Your Firm through Technology and ESG Analytics
- TCS MyImpact: A Personal Values-Aligned Investment Management Solution
*全てを網羅したリストではない