生命保険の新契約引受業務の業績指標:高みを目指す
Abstract
KEY RESEARCH QUESTIONS | |
1 | 保険会社の主な業績指標は現在どうなっているか? |
2 |
2016年の単位原価は2007年と比べてどう変化しているか? |
3 | 保険会社が新規契約および引受け業務に関する指標を改善するためには、何を重視すべきか? |
保険会社にとって、新規契約および引受け手続きは業績向上のカギを握る分野です。
保険会社によって主要指標に差はありますが、2007年に比べるといずれも改善しています。額面の大きい案件を手掛ける引受人は、額面がさほど大きくない案件を手掛ける引受人に比べて取扱い件数が少なく、1件当たりのコストが高くなっています。全ての保険会社で保険契約額は低下していますが、成約件数は2007年と変わっていません。従って、保険会社が利益率を維持するためには契約1件当たりのコストを継続的に削減する必要があります。
高額の契約を手掛ける引受人は、比較的低額の契約を手掛ける引受人に比べると指標の改善幅が小さくなっています。前者の場合、営業利益率が大きく後者に比べて余裕があるため、早急な改善を迫られている訳ではありません。後者はコスト基準が低いため、自動化が唯一の選択肢となっています。
保険契約者のデジタルに関するニーズは変化しており、スケールメリットは期待できなくなる可能性があります。自動化はサイクルタイムの短縮、正確性の向上、コスト削減につながります。場合によっては、より高価値を生み出す仕事に社員を振り向ける(例えば、引受人は複雑で高額な契約のみを手掛ける)、あるいは戦略に応じて人員の数を削減するといったことも可能になります。
「保険会社の業績指標は、前回の調査と比べて改善しています。各社とも人員およびテクノロジーへの投資を実施し、その成果が表れています」と保険プラクティスのアナリストであるカレン・モンクスは述べています。
「過去にオペレーションの責任者を務めた経験から言って、今回進歩が見られたことは嬉しい限りです。それでも、まだ改善の余地はあると思います」と保険プラクティスのリサーチ・ディレクターであるトム・スケールズはコメントしています。