銀行のイノベーションの成功は、銀行が抱える既存のテクノロジーと密接な関係がある。イノベーションに取り組む手法の一つが、社外のサードパーティプレーヤー、特にフィンテック企業との連携である。我々は、このような1対1の連携にもメリットはあるが、複数対複数の連携方法の方が、参加企業にもたらすメリットは大きいはずであり、結果的にプラットフォーム化(platformification)というコンセプトの出現に繋がると考えている。では、プラットフォーム化がもたらすチャンスと課題とは何だろうか?

銀行はイノベーションに取り組む必要性を認識している。その理由はバックオフィスのテクノロジーにあるのだが、このバックオフィス・テクノロジーは往々にしてイノベーションを阻害する要因にもなっている。このため、多くの銀行が社外に目を向け、様々なサードパーティプレーヤーと提携するようになっている。しかし、そうした連携は1社対1社の限定的なものが多いため、活用できるソリューションに広がりがなく、結果的にイノベーションの可能性を狭めてしまっている。では、複数のベンダーと一度に連携し、幅広いテクノロジーを利用できるとしたらどうだろう? これがプラットフォーム化によって可能となるのだ。
