中国リテールバンキングのデジタルイノベーション:インターネット/モバイルバンキングは取って代わられる【抄訳版】
Abstract
(このレポートは2015年9月15日に" Innovation in Chinese Retail Banking Digital Channels: Internet Banking and Mobile Banking Will Be Replaced" というタイトルで英文で発表されましたが、抄訳版を2016年1月18日に発行しました。)
※ダウンロード: レポート(日本語)=抄訳版PDF、(英語)=原文レポートPDF
中国では、今後10年以内に現金による支払いの80%、クレジットカードの60%がモバイルウォレットに取って代わられるとみられます。さらに15年後には、中小金融機関の窓口で行われているサービスの大部分は、第三者が代行するようになるでしょう。これらのチャネルの規模は縮小し、よりコミュニティに根差し、インテリジェントで、多様化し、他のサービスに組み込まれるケースも増えると考えられます。
KEY RESEARCH QUESTIONS | |
1 | インターネットバンキングとモバイルバンキングは取って代わられるのか? |
2 |
将来のリテールバンキングの中核となるのは何か? |
3 | 将来、中小銀行は窓口業務サービスをアウトソースするだろうか? |
中国リテールバンキングにおけるデジタルチャネルのイノベーション、革新的な銀行の戦略について調査した結果、セレントは、ATM、銀行カード、インターネットバンキング、支店網といった従来型チャネルの利用は半減すると予測します。銀行チャネルは他のサービスやアプリケーションに組み込まれ、決済、融資、外国為替などの銀行サービスは、教育や医療に関するその他のオンラインサービス/アプリケーションに組み込まれるようになるでしょう。
ソーシャルネットワークも、従来のバンキングチャネルに取って代わるもう1つの動きとして挙げられます。ソーシャルネットワークはeコマース、O2Oやその他のサービスへの重要なアクセスポイントとなっています。例えばPing Anは、「医療サービス、外食、宿泊施設、旅行/レジャー」と一体化した「ソーシャルネットワーク・ファイナンス」を戦略の基盤としています。
「将来的には、eコマース、O2O、ソーシャルネットワークやその他のインターネットチャネルが徐々に既存の電子バンキングチャネルに取って代わるとみられます。大手銀行にとって、バンキングチャネルの電子化とは、単に銀行サービスをインターネットまたはモバイルに移行するだけではなく、インターネットの特性を生かしたバンキングチャネルを創出することを意味するでしょう」と、セレントのアジア金融サービスグループのアナリストでレポートを執筆したフア・ジャンは述べています。
レポートでは中国のデジタルチャネルの概要について、デジタルチャネルのイノベーション、銀行の戦略、ビジネスモデルなどを含めて明らかにしています。