2012年 セレントモデルバンク:銀行のテクノロジー有効利用に関するケーススタディ
Abstract
セレントの「モデルバンク」レポートは、銀行が取り組んでいる21のテクノロジープロジェクトを「モデルバンクのコンポーネント」として認定しました。
セレントのモデルバンク調査の目的は、「銀行が全ての業務を最新テクノロジーで最適化したらどうなるか」という一見単純な疑問に対する答えを探すことにあります。もちろん、これはそれほど単純な質問ではありません。「全て」や「最適化」という言葉の意味するところは銀行の規模、業務および商品ラインの複雑さ、既存のテクノロジー基盤によって大きく異なるからです。
「我々のアプローチは、『モデルバンク』が採用すると思われるテクノロジー利用に関するベストプラクティスの一部を紹介するというものです。ここで取り上げた実例は、インフラおよびアーキテクチャから商品開発、マーケティング/販売、販売チャネル管理、取引処理、顧客サービス/サポート、セキュリティ、リスク管理まで幅広い分野に及んでいます」と、銀行グループのシニアアナリストでレポートの共同執筆者であるボブ・メーラは述べています。
「もちろん、モデルバンクは1つに限定されるものではありません。どの銀行もテクノロジーに関しては成功と失敗を経験しています。そこで我々は、テクノロジーを有効利用している銀行の実例をできるだけ多く集めることにしました。これらのケーススタディを、理論上のモデルバンクが採用するITシステムと実践手法を構成する要素として、これらのケーススタディを紹介しています」と、アナリストでレポート共同執筆者のステファン・グリーアは述べています。
『モデルバンク・コンポーネント』として紹介する21のケーススタディのほぼ全てについて、ビジネスドライバー、テクノロジー環境、定量成功指標を簡単にまとめています。
2012年 モデルバンク・コンポーネント:
- ABSA Bank:モバイルバンキング・プロジェクト
- バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチ:決済サービスハブ
- モントリオール銀行:コーポレートオンラインバンキング
- シティバンク:コマーシャルカード用のグローバルプラットフォーム
- Coastal Federal Credit Union:パーソナルテラー機
- DBS Bank:新興市場および海外拠点の勘定系システムの統合
- Emirates NBD:勘定系システムの変革
- Fifth Third Bank:リモート・カレンシー・マネジャー
- HDFC Bank:CRMプロジェクト
- Huntington National Bank:iPadを利用した販売ツール:「テクノロジーによるテクノロジーの販売」
- ICICI Bank:口座ポータビリティ
- 楽天銀行:顧客のロイヤルティ向上プロジェクト「ハッピープログラム」
- Redstone Federal Credit Union:DNAcreatorを使った勘定系システムの開発
- RHB Bank Berhad:「Easy by RHB」プロジェクト - 2012年モデルバンク・オブ・ザ・イヤー受賞
- スタンダード・チャータード銀行:Breeze Living
- Taishin Bank:トランザクション分析
- Taishin Bank:効率的なファシリティ/リスク管理システムの構築
- US Bank:オンラインプラットフォームの変革
- USAA Bank:Easy Deposit
- YES Bank:Insights 2 Engage
- YES Bank:Governance, Risk and Compliance Competency Frameworkによる改革
今回初めて、モデルバンク・オブ・ザ・イヤーとして優れたモデルバンク1行を選定しました。今年度は、マレーシアのクアラルンプールに本店を置くRHB銀行の支店変革プロジェクト「Easy by RHB」に同賞を授与しました。同行のプロジェクトについては、別途発行するレポートで詳しい詳細を紹介します。
セレントでは、2013年のモデルバンクを選定するため、年末まで新たな実例を募集しています。自薦による応募はwww.celentmodelbank.comで受付けています。