取得時価報告:総所有コストを抑制する方法
2013/12/24
アレクサンダー・カマルゴ イザベラ・フォンセカ
Abstract
取得時価報告の義務化に伴う負担は、ソフトウェアの開発や取得コストだけにとどまりません。証券会社では、業務コストおよび人件費が報告の義務化に伴うコスト全体の4分の3近くを占めています。従って、各社ともこれらのコストの抑制方法を見出すことが不可欠となっています。
セレントの最新レポート「取得時価報告:総所有コストを抑制する方法」は、総所有コストの長期的な影響、コスト増を示す先行指標、取得時価報告に関する投資効果を最大化する方法について論じています。
証券会社は引き続き債券およびオプションの規制準拠に向けた取り組みに注力していますが、ここにきて長期的にシステムを効率化する方法を模索する動きも広がっています。データスクラブ、照合、システム統合といった業務プロセスへの取り組みは、最重要課題になっています。これらが検討されるようになったのは、証券各社が取得時価報告をめぐるコスト負担増を意識し始めた結果といえるでしょう。
「平均を上回るコスト増を示す最大の先行指標となるのは、自社システムの開発でしょう。過去に戻って自社開発投資を縮小することはできませんが、現行の業務、データスクラブの取り組み、下流システムを見直し、将来的にプロセスの効率化を測ることは可能です。どの証券会社にも総所有コストを抑制する方法は存在するのです」とアナリストでレポートを執筆したアレクサンダー・カマルゴは述べています。
レポートでは、まず証券会社の優先課題と市場トレンドの概要を示しています。次に、投資のドライバーは何か、投資および予算の増減に影響する要因を分析しています。最後に、証券会社が取得時価報告に関する投資効果をいかに最大化できるかについて、将来を見越した視点から考察しています。