保険金請求管理の現状とビジネスチャンス:英国の顧客満足度調査から
Consumer Experiences in the United Kingdom
Abstract
保険金請求手続きに不満を持った顧客は、契約を更新することはないとみられます。
英国では、成人になれば何らかの保険に加入するのが一般的です。しかし、人々は何か不幸な出来事が起きた場合に備えて保険をかけるのであって、消極的な買い物という位置付けにすぎません。顧客にとって保険の真の価値が試されるのは、保険金請求をする段になってからのことでしょう。保険会社はここでいかに対応すべきでしょうか。
セレントの最新レポート「保険金請求管理の現状とビジネスチャンス:英国の顧客満足度調査から」は保険会社に支払いを請求した経験を持つ英国の顧客を対象に行った予備調査の結果をもとに、顧客が何を期待し、実際にどのような経験をしたかを詳しく説明しています。レポートでは、請求手続き上の重要ポイント、不正行為に対する見解、望ましいコミュニケーション手法、顧客ロイヤルティーなどについて取り上げています。また、顧客の満足度を向上させるためには、どの分野に優先投資すべきかを提言しています。
出典:セレント
「顧客は、請求額の全額を支払ってもらいたいとの意向を明確にしています。ただ不思議なのは、保険金を水増し請求することに抵抗を感じない人が多いことです。そのため保険会社は、迅速で妥当な解決をめざすか、顧客の期待と満足度を尊重するかのジレンマに陥ることになります」と、セレント保険グループのシニアバイスプレジデントでレポートを執筆したキャサリン・スタッグ・マーシーは述べています。
英国では、保険金請求者の満足度と請求手続きの効率性および有効性が必ずしも一致していないのが現状です。さほどコストをかけずに顧客の満足度を向上させる方法はあるとセレントは考えていますが、顧客満足度の高さだけで顧客のロイヤルティーが向上するわけではありません。
レポートでは最後に、業務全般および経済的なパフォーマンス目標を重視して保険金請求手続きの改善に向けた投資を行うことを提言しています。