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メインフレームの勘定系システム:忘却の彼方に?

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2015/03/20

Abstract


セレントは昨年12月に発行したレポート「勘定系システムを移行する理由は?:再検証 」で、勘定系システムの更新、レガシー勘定系システムについて広く信じられている通説(や迷信)に対する疑問を呈しました。本レポートはその答えとして、銀行とって勘定系システムの更新が不可欠である真の理由を探っています。

本レポートは、過去50年間の勘定系システムの進化の過程を紐解きつつ、自動車業界におけるエンジニアリングの発展過程を参考に、近い将来、最新テクノロジーが現行の勘定系システムをどこに導いていくのか予測しています。

自動車業界のバージョン3.0では、最新のプラットフォームエンジニアリングによって、様々な車種、ブランド、モデルで標準化された部品を共有し業務の効率化を達成しました。フォルクスワーゲングループは先にプラットフォームエンジニアリングに700億米ドルを投じ、わずか数年以内に年間190億米ドルのコスト削減を実現できるとして、自動車生産における最先端のエンジニアリングの可能性を示しました。

一方、大手銀行とその提携先ベンダーの多くはバージョン2.0の勘定系システムから抜け出せず、SOAベースのミドルウェアといった最新テクノロジーをうわべだけ取り入れる形をとり、古くなったメインフレームの勘定系システムを温存しています。

「COBOLで開発されたレガシー勘定系システムが延命している背景には、これらがメインフレーム上で高い拡張性を持っているのに対し、その他の柔軟性の高い最新のプログラミング言語はメインフレーム上では高い性能を発揮できないという事情があります」と、セレント銀行グループのシニアアナリストでレポートを執筆したジェームス・オニールは述べています。

レポートでは、柔軟性に欠けるメインフレームのレガシーシステムから新たなタイプのモジュール型システムへの移行が先導する「バンキング3.0」の時代が到来するかどうか検証しています。モジュール型システムは、クラウドサービスの環境下で相互に連結する複数の汎用サーバを利用するため、高い拡張性があります。COBOLが最も拡張性に長ける、というわけではなくなった今、クラウドベースが可能な最新の勘定系システムはいつでもレガシー勘定系システムに取って代わることができます。

バンキングのプラットフォームエンジニアリングが実現すれば、CIOは再利用可能な最新のシステムコンポーネントを使って、少ないリソースでより多くの成果を上げられるようになります。メインフレームのシステムに特有な信頼性および拡張性の高さを維持したまま、縦割りのシステム機能の廃止、ビジネス部門の枠を超えたIT投資、銀行エコシステムの開発および保守管理の迅速化が可能となるでしょう。