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銀行の顧客戦略:リレーションシップ・ プライシングへ向かう傾向

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2007/05/30

Abstract


(このレポートは2007年5月30日に"Banking on Relationships: Paving the Way for Relationship Pricing"というタイトルで英文で発表されましたが、和訳版を2007年11月27日に発行しました。)

大手銀行は、リレーションシップ・プライシング(顧客関係に基づく手数料体系)において主導的な役割を果たすとみられます。

銀行は、主にホールセール顧客に対して、以前から商品のバンドル化に取り組んできました。しかし、商品のバンドル化やリレーションシップ・プライシングをレベルアップするのに必要な最新システムや戦略の導入を検討し始めたのはごく最近のことです。銀行はあらゆる市場セグメントにおいて、クロスセリングの拡大、顧客収益性の向上、減収の最小化に向けた戦略の策定を進めています。問題は、顧客サービスと顧客ロイヤルティの向上を両立させなければならない点にあります。

セレントの予測では、全米に展開する大手銀行のうち1行か2行は、今後1年以内にリレーションシップ・プライシングに乗り出すとみられ、それを機に業界内の状況にも変化が生じるでしょう。大手銀行は、リテールとホールセールの両方の市場を対象にリレーションシップ・プライシングを主導していくものとみられます。2006年から2009年末の間に、米国内の大手・中堅銀行125行のうち48行は、マルチ商品やリレーションシップ・プライシングを何らかの形で顧客に提示する見通しです。また、カナダの大手・中堅銀行(7行のうち)3行もこの動きに同調するとみられます。

セレントの最新レポート「銀行の顧客戦略:リレーションシップ・プライシングへ向かう傾向」は、銀行業界における顧客リレーションシップとプライシングの行方を左右する市場のトレンドと動向を検証・分析・比較しています。レポートでは、先進的な銀行が競争で優位に立つための意識改革やビジネスモデルの変化について論じています。リレーションシップ・プライシングのシステムは、一夜にして普及するものではありません。これらのシステムやそれに付随するアプローチの導入は組織に大きな影響を及ぼすことから、時間がかかるでしょう。当面は、政治的背景、社内の制約、必要条件の不備などから、大部分の銀行はこれらの導入に踏み切れないものとみられます。

「銀行業界ではパラダイムシフトが進行しつつあります」と、セレント銀行プラクティスのシニアアナリストでレポートを執筆したジェイコブ・イエーガーは述べています。「リレーションシップ・プライシングは、銀行によるビジネスアプローチを変えるだけでなく、銀行業界の勢力図の変化や逆転を引き起こすとみられます。リレーションシップ・プライシングや商品のバンドル化を進める銀行は、持続的な競争上の優位を確保することができるでしょう。」

本レポートは11図と3表を含む24ページから構成されています。