次世代レポ: 注目すべき7つのイノベーション
Key research questions
- なぜ今レポ市場について言及するのか?
- レポ関連で注目すべき7つのイノベーションとは?
- どのような構造変化が市場に影響を与えるか?
Abstract
レポこそが、担保管理で大いに活用すべきツールです。その活用方法をご説明します。
世界のレポ市場は、何年も停滞し非流動的でしたが、ついに変化の時がやってきています。欧州市場インフラ規則(EMIR)とバーゼルⅢだけでなく、今や第2次金融商品市場指令 (MiFID II) と証券金融取引規制(SFTR)が、欧州市場の変化を促すでしょう。加えて、量的緩和(QE)の終わりとイギリスのEU離脱が市場を大きく揺さぶるほか、市場インフラやテクノロジーの変化もレポに影響を与えます。
セレントは本レポートで、取引顧客へのアクセス手法、ビジネスモデル、金融商品、取引プロトコル、プロセス、テクノロジー、インフラストラクチャーの7つの領域におけるイノベーションをお伝えします。レポ市場は流動性管理と担保管理テクノロジーの世界においてはニッチ市場ですが、G20の金融規制改革の影響を受け、市場参加者がバランスシートと収益力を最適化する際に中心的な役割を担う金融商品となっています。
このレポートでは、レポの取引高が変わりつつある背景や、直近の規制変更やマクロ経済動向、市場インフラやテクノロジーの変化が、なぜ取引前から取引後までの全ての領域において、レポの重要性を大きく押し上げることになるのか、その要因を分析します。米国に加えて欧州でもまもなく量的緩和が終わりを向かえるほか、取引のバリューチェーンも変わろうとしています。更には、MiFID IIに比べると認知度は低いものの、SFTRの導入も迫っており、レポ市場における透明性の確保や自動化の流れは不可避なものとなっています。結果的にこうした流れは、音声ベースの取引やFAXを用いた確認作業など、マニュアル作業に依存した現在のレポ市場において、膨大なデータを活用する自動化テクノロジーが台頭するきっかけになるでしょう。