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保険販売管理をめぐる戦略上の課題【抄訳版】

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2015/05/17

Abstract

(英文レポート"Strategic Issues in Insurance Distribution Management "の重要部分を抽出し翻訳しました。)

保険会社は販売管理が成長戦略のカギになると考え、各社ともチャネルの拡充、代理店の追加、新分野への進出、既存チャネルの最適化などを通じて顧客の獲得・維持に努めています。

保険会社は販売チャネルのサービス改善や、販売管理のコンプライアンス面の強化に注力し、代理店の適正な免許保持、州政府からの委嘱認定を徹底させています。また、効果的に新規契約募集を行うため、報酬管理ツールおよび手法の採用に力を入れている保険会社もあります。

セレントは、最大手の保険会社のこの分野における取り組みを販売チャネルの①管理体制②手法③効果④課題の4点に焦点を置き調査しました。

KEY RESEARCH QUESTIONS
1 誰が販売管理を担当し、その課題は何か?

2

どのような報酬体系で、その効果は?
3

どのようなシステムで報酬を管理し、その課題は何か?


多くの場合、販売管理部門が主にチャネル管理の責任を担っており、最大の課題は、関係およびコンプライアンス面の管理であると考えられています。

保険会社は報酬に関して多様な手法を採用しており、それぞれ効果を上げているとの回答でした。一方、有効な報酬制度を導入することよりも、報酬を正確に計算することの方が重要だという声も上がっています。インセンティブ報酬やコンテストなどの手法を使えるのはトップクラスの有資格エージェントに限られるかもしれませんが、その効果にはばらつきがみられます。インセンティブ報酬を導入している保険会社のうち、その効果を認めるとする回答は全体の25%にとどまり、「インセンティブ報酬制度はさほど高い効果を上げていないが、制度を導入していない場合に比べれば良いはずだ」と回答した保険会社もあります。

ほとんどの保険会社はExcelを含む様々なシステムを使って報酬管理を行っていますが、報酬額を効率的に計算・配分することの難しさを指摘しています。報酬制度を採用するかどうかの判断基準は多くの場合、管理の容易さとなっています。導入したくても、既存のシステムが障害になることもあります。
さらなる自動化の検討において、もう1つの課題はコンプライアンスです。免許の認証、委嘱手続き、代理店向けセルフサービスの提供といったプロセスを自動化している保険会社は半分にも達していませんが、自動化を完了した保険会社は、概ねその成果を認めています。

「販売チャネルを管理するためには、日常的な関係管理をはじめ、販売人(会社)による免許や委嘱に関する法令遵守、戦略的な報酬管理など、複数の分野で規律を求められます。が、こうした作業を効率的に行うには超えるべき壁があります。そこで、テクノロジーを活用し、販売チャネルの有効性の向上を目指す動きが広がっています」とセレント保険プラクティスのリサーチディレクターでレポートを執筆したカーリン・カーナハンは述べています。

本レポートは9図と1表を含みます。