2013年 世界の勘定系システム販売ランキング
Abstract
2014年を迎え、勘定系システムの定義は世界的に進化し続けていますが、そのペースには地域によって違いがみられます。
2013年に勘定系システムは世界70ヵ国で購入されましたが、その数は80ヵ国余りだった2012年に比べて減少しました。セレントが独自の方法で導入件数を数値化したスコアは世界合計で360点余りとなり、2011~12年の445点を下回っています。
最新レポート「2013年 世界の勘定系システム販売ランキング 」は、2012年7月1日から13年6月30日までの1年間にベンダーが獲得した勘定系システムの導入件数を独自の方法でスコア化し、ベンダーのランキングを作成しました。このランキングは、単に導入件数を比べるのではなく、各案件の契約額を反映した加重スコアに基づいています。セレントでは、これをもとに世界中の勘定系システムベンダーの実績を比較しています。
「勘定系」システムとは銀行の中核をなすシステムを意味すると考えるとするなら、モバイルバンキングやモバイルチャネルは急速に中核に向かいつつあります。また基本的な記帳および預金を可能な限りコンパクトにまとめたものが勘定系システムとする考え方もあります。多くの銀行が老朽化しつつあるプラットフォームの限界を回避するために構築してきたのは、後者に当たります。支店はもはや銀行業務の中核ではなくなり、(顧客ニーズの変化を含めた)デジタルチャネルの普及によって、従来の支店主導型から商品主導型のビジネスモデルへのシフトが進み、銀行業務の中核を占めるようになっています。
セレントはこれまで、リテールおよびホールセール向け預金・貸出業務の処理システムと顧客情報の記録システムを勘定系システムと位置づけてきました。ここにきて、システム更新に伴う課題に対するベンダーの取り組み方は変化しつつあります。結果として一旦は順調な販売の軌跡をたどるのが難しくなりましたが、逆にやりやすくなった面もあります。モジュール化とコンポーネント化は新しい概念ではありませんが、これらが勘定系システムの可能性を広げています。
「セレントは、勘定系システム市場について強気の見方をしています。標準化プロジェクトが活発化しつつあり、システム開発の方向性が簡潔性とモジュール性の追求へと進化するなか、勘定系システムを導入しやすい環境が整うとみています」とセレント銀行グループのシニアバイスプレジデントでレポートを共同執筆したダン・ラティモアは述べています。
「新たなチャネルおよび商品の市場投入期間は、今後ますます短縮されるでしょう。複雑さが増すなか、イノベーションの最前線に立つのは間違いなくベンダーであり、それに伴い勘定系システムの導入も促進されるとみられます」とアナリストでレポートの共同執筆者であるスティーブン・グリーア はコメントしています。
レポートでは、勘定系システムの販売動向を地域別およびベンダー別に詳しく分析しています。また、グローバル、各地域およびベンダー個別のトレンドについても紹介しています。