中国におけるキャッシュマネジメント
Abstract
金融危機のあおりを受け、多くの中国企業はキャッシュフローをめぐる問題に直面しています。そのため、企業にとってキャッシュマネジメントの強化と資金の有効活用が一段と重要になっています。
セレントの最新レポート「中国におけるキャッシュマネジメント:中小企業は急成長市場」は中国で急速に成長するキャッシュマネジメント市場に焦点をあて、流動性管理、キャッシュ・プーリング、運用サービス、トレードファイナンスといったキャッシュマネジメント・サービス のトレンドについて論じています。
出典:銀行のアニュアルレポート、中国人民銀行、セレント
中国における銀行の預金残高全体の72%は大企業によるものですが、顧客ベースでみると、26%が大企業、残りの74%は中小企業が占めています。ところが、キャッシュマネジメントサービスの利用は中小企業よりも大企業において、より普及しています。一方、中国の中小企業はGDPの60%以上を生み出しており、その成長率は年率46%に達しています。同時に、中小企業の海外での売掛金は700億ドルを超えており、年間100億ドル(約91億円)のペースで増加しています。これは、これまで大企業に限られていたキャッシュマネジメント・サービスに対するニーズが中小企業の間でも広がり、大規模な未開拓市場が存在することを示しています。
「中国企業向けキャッシュマネジメントはより総合的でグローバルなサービスへと変化しており、システム利用もさらに進んでいます。中国の銀行は企業のニーズに応えるため、運用サービスやオンライン・キャッシュマネジメントなど、より先進的でカスタム化されたソリューションの開発を進め、大々的なブランドキャンペーンを通じてこれらのサービスを展開しています」と、セレントのアジアリサーチグループのアナリストでレポートを執筆した フア・ジャンは述べています。
このレポートは17図と7表を含む34ページで構成されています。