確定拠出年金市場の発展:米国市場における新たなファンド/投資商品
New Funds and New Investment Vehicles in the US Market
Abstract
確定拠出年金市場が再び活気を見せています。2008年に資産残高が1兆ドル減少したものの、2010年には過去最高を更新する勢いを見せました。確定拠出年金は各種の退職金制度の中で最も急成長している分野で、米国の退職金資産に占める確定拠出年金のシェアは拡大傾向にあります。
セレントの最新レポート「確定拠出年金市場の発展:米国市場における新たなファンド/投資商品」は、米国の退職金市場を取り上げています。確定拠出年金(DC)市場は細分化が進んでいて、プランの種類(401k、キオ・プランなど)、ファンドの種類(ハイブリッド型、ターゲットリスク型、ターゲットデート型など)、投資商品(分離口座、ミューチュアル・ファンド、集団投資信託など)によって細かく分類できます。レポートではDC市場をこれらの項目ごとに分析し、主な変化を明らかにしています。
これまでDC市場で最も広く利用されてきた投資商品はミューチュアル・ファンドで、資産残高の50%以上がこれに振り向けられてきました。しかしここ10年余りの間、新たな投資商品が同市場でのシェアを拡大し続けています。具体的には、分離口座、集団投資信託、変額年金、株式などです。レポートでは、これらの投資商品の進化と成長の過程を明らかにしています。
「確定拠出年金市場では、様々な動きがみられます。そのうち最も注目すべきものの1つは、集団投資信託のシェアが拡大していることです。こうした投資商品は以前からありましたが、プランの提供者はこの商品が持つ規制およびコスト面のメリットを初めて認識したかのようです」とセレントのアナリストでレポートを執筆したアレキサンダー・カマルゴは述べています。
レポートではまず米国の退職金市場の概要を紹介し、ここ5年間の確定拠出年金の成長に焦点を当てています。次章では、同市場の進化の状況をプランの種類、成長率、普及の要因、主な市場プレーヤーなどの観点から説明しています。また、投資商品別の市場シェアも紹介しています。さらに、商品ごとに主な成長要因を挙げて成長見通しを示しています。次に、ターゲットデート型ファンド市場の概要を示し、この分野においてイノベーションのニーズが進化をもたらした経緯を説明します。最終章では、今後の発展の見通しを予側しています。