QRコード:自動車部品のトレース手段から売掛金の自動決済手段へと進化
2019/09/11
Abstract
QRコードは、自動車部品のトレーサビリティの確保とカスタマイズ化されたマーケティング情報の発信を可能にする手段から、アクセスが容易で効率的なB2C(企業と個人消費者の取引)決済手段へと進化を遂げた。消費者が衣料品やガソリンを購入したり、レストランで支払いを済ませたりする際、店頭でモバイルフォンを使ってQRコードを読み取るケースが増えているほか、企業と個人消費者(B2C)および企業間(B2B)の請求書支払いでもQRコードが使われるケースが見られるようになった。欧州の企業は請求書(紙ベースか電子版かにかかわらず)にQRコードを記載し、売掛金管理の自動化を進めようとしている。
QRコードを使った市場ベースの決済手段は、世界のどの地域にもビジネスチャンスをもたらすと思われる。まずは、新たに欧州全域で採用される「支払リクエスト(RTP)」のしくみと適用基準がこうした動きに弾みをつけることになろう。RTPは従来の口座引き落としに取って代わり、支払人はリアルタイムで決済を承認・執行できるようになるだろう。