ドッド・フランク法とEMIRによるデリバティブ市場の改革:今後のシナリオとシステムへの影響
Abstract
ドッド・フランク法や欧州市場インフラ規制(EMIR)によるOTCデリバティブ取引の改革が進むなか、セレントは欧米において進化を続ける店頭デリバティブの注文執行および決済の市場構造について調査しました。また、新規制がバイサイドとセルサイドの金融機関によるデリバティブシステムへの投資や市場インフラに及ぼす影響についても分析しました。
セレントの最新レポート「ドッド・フランク法とEMIRによるデリバティブ市場の改革:今後のシナリオとシステムへの影響」は市場の構造や環境をダイナミックなアプローチで予測し、金融機関が2012年以降の戦略を策定する上で必要な詳しい情報を提供しています。レポートでは、スワップディーラー、ノン・ディーラー、運用マネジャー、ヘッジファンド、中央清算機関など主な市場参加者の全体的なIT投資動向や投資先の分野について調査しました。
ドッド・フランク法とEMIRには幅広い改革が盛り込まれており、欧米の金融当局にスワップ市場の取引、決済および市場参加者に対する監督権限を付与するものです。当局は改革法案の取りまとめと施行に向け、大胆なスケジュールを組んでいます。しかし、今後の動向を予測するのは難しく、最終的には幅広い市場構造が改革の対象になる可能性があります。
「我々は、既存の仕組みの進化と新規参入者の流入を踏まえ、スワップ市場の最終的な市場構造はディーラー間取引の執行プラットフォームと対顧客取引のプラットフォームの2層に分かれると予測しています。同時に、規制の策定やその適用方法に一貫性がないため、商品クラスや地域によって市場構造が異なることも考えられます」とセレント・キャピタル・マーケットのリサーチディレクターでレポートの共同執筆者であるデビット・イーストホープは述べています。
「市場参加者のうちビジネスモデルやIT予算に最も幅広い影響を受けるのは、スワップディーラーと中央清算機関でしょう」とファイナンス&リスクのリサーチディレクターでレポート共同執筆者のキュビラス・ディンは述べています。
レポートは、ITベンダーや金融機関が全体の枠組みに基づく総合的なあアプローチを採用し、有効な意思決定を下すための方法を提案しています。また、今後発行予定の関連レポートではさらに内容を掘り下げ、デリバティブシステムや他のITシステムの様々な分野やコンポーネントに及ぼす影響を詳しく分析します。