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中国および香港の株式市場のトレンド

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2007/12/26

Abstract


中国政府の金融政策を受けて2008年には経済成長が減速する可能性はありますが、中国本土の株式市場は成長を続け、世界の投資家への開放度も高まるでしょう。これに対し、香港の株式市場は既にすでに成熟段階にあり、極めて開放的な市場となっています。

中国本土の株式市場は成長市場ではありますが、海外からの投資が制限されています。2006年、同市場で新規株式公開(IPO)を果たした企業の数は急増し、資金調達額は極めて高水準に達しました。市場の盛況は単にIPOの件数が多かったことによるものではなく、超大型IPOが起因しています。セレントは最新レポート「中国および香港の株式市場のトレンド」で、中国本土と香港の株式市場を個別に検証し、外国人投資家を中国株式市場に呼び込もうとする証券会社に向け提言を行っています。

2007年から2008年にかけて、IPOの件数と資金調達額は急速に増加し続けるでしょう。2007年上期にIPOを行った銘柄の株価収益率は30倍を超えており、地元の資本市場に上場する企業はさらに増えています。また、大型国営企業の上場により中国における超大型IPOのトレンドは続くとみられます。
セカンダリーマーケットの売買高は、2006年には1兆1,000億米ドル超へと飛躍的に拡大しました。この傾向は続いており、2007年の売買高は6兆米ドルに達する見通しです。

一方、香港の株式市場は中国本土と違って既に成熟段階にあり、極めて開放的です。市場にはより多くの機関投資家が参加しており、海外機関投資家の売買高は市場全体の39%、国内機関投資家は26%を占めています。外国人投資家の売買高は全体の40%に達しています。香港市場の2006年のIPO件数はロンドン市場に次ぐ世界第2位となりました。また、流通市場の2006末時点の売買高は世界で第6位、アジア地域では第2位となっています。香港市場では、中国本土銘柄の存在感がますます強まっています。H株とレッドチップ銘柄を合わせた時価総額は市場全体の45%、売買高は64%を占めています。

中国本土と香港の株式市場は、今後数年間はともに成長を続けるでしょう。上海か香港の証券取引所、あるいはその両方に上場する金融機関や大型国営企業の数はさらに増える見通しです。ベンチャーキャピタルやプライベートエクイティが撤退する際の主な選択肢が海外市場や香港市場でのIPOである状況は変わっていませんが、中国政府は2007年末に金融政策を「慎重」から「引き締め」にシフトさせる方針であるため、成長ペースは減速する可能性があります。

「外国人投資家による中国株式市場への直接投資は制限されています。2007年1月31日時点で、中国A株への投資を許されている適格海外機関投資家(QFII)は52にすぎず、これら投資家の合計投資枠は100億米ドルに設定されています」とセレントのシニアアナリストでレポート執筆者のウェンリ・ユアンは述べています。「今後数年間で中国株式市場の対外開放度はさらに高まり、QFII枠は300億米ドルまで引き上げられるでしょう。合弁証券会社の認可も増え、ジョイントベンチャーは徐々に事業規模を拡大できるようになるとみられます。また、QFIIは先物取引の投資枠も取得するでしょう。」