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中南米の銀行におけるイノベーションの進捗状況

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2017/01/13

Abstract


消費者の期待が常に拡大する環境下で勝つためには、業務プロセス、テクノロジーの継続的なイノベーションが求められます。セレントは中南米の銀行がこうした課題にどの程度対応できているのかを把握するため、イノベーションのメリット、阻害要因、そのビジネス成果について調査しました。

KEY RESEARCH QUESTIONS
1 中南米の銀行にとってイノベーションは重要か?

2

中南米の銀行はイノベーションにどう取り組んでいるか?
3

中南米の銀行にとってイノベーションの障壁となっているのは何か?

調査対象となった銀行のうち圧倒的多数(85%)は、顧客の期待に応じるためにはイノベーションが不可欠であると回答しています。しかし、イノベーションは重要であるとしながらも、自社の業務戦略にとって不可欠ではないとする回答も多数に上りました。問題は多くの場合、革新的なアイデアに対する組織全体の抵抗感がぬぐえないところにあります。

今回の調査結果をみる限り、中南米の銀行業界はイノベーションのレベルで他の業界と同じか、先を行っていると言えるでしょう。また他行との比較に関しても、多くの銀行は少なくともライバルに遅れは取っていないと感じています。これはうぬぼれでしょうか、それとも現実でしょうか?調査ではイノベーションの最大の阻害要因として経営トップのリーダーシップを挙げる回答が多く、他の地域での調査と同じ結果が出ています。

「調査結果からは、回答者が現状を変える必要性をさほど切実に感じていない様子がうかがえます。競合他社との比較について質問すると、イノベーションで他社に後れは取っていないとする回答が大半を占め、その結果については『満足している』または『満足はしていないが不満もない』と回答しています。」

「まずは、イノベーションプロジェクトを重視する姿勢が必要です。そうでなければ、これが日常業務より上に位置づけられ、組織内の優先課題になることはないでしょう。そうした意識改革が行われない限り、銀行がイノベーティブなテクノロジー、プロセスの導入で他の金融セクターに後れがちな現状は変わらないでしょう」とシニア・アナリストでレポートを執筆したホアン・マツィーニは述べています。