2012年バンキングのトップトレンド
Abstract
(このレポートは2012年1月12日に"Top Trends in Banking 2012 "というタイトルで英文で発表されましたが、和訳版を2012年5月17日に発行しました。)
セレントでは毎年、世界各地のアナリストを集めて、アジア、北米、欧州のバンキングのトレンドについて討議しています。2008年の金融危機発生により、バンキング業務は本質的に以前より困難なものとなってしまいました。米国や西欧の銀行はなお厳しい状況にあります。これに対して、アジア、オーストラリア、カナダでは業績がかなり向上しはじめています。
セレントの最新レポート「2012年バンキングのトップトレンド」では、銀行、ベンダー、顧客およびそれ以外、監督当局、中央銀行から得た情報をもとに、各地域の主要トレンドをまとめています。
グローバル規模で逼迫する経済状況は、銀行にデジタルチャネルやアウトソーシング、分析手法を再考するよう促しています。モバイルバンキングやインターネットバンキングについては、すでに個人向け・法人向けの両分野ですでに発進済みですが、デリバリーモデルの高度化はアウトソーシングの検討を余儀なくしています。他方、既存顧客の資金をより多く獲得すべく、データ分析の開発も急務となっています。
出典:Bankscope、Celent
「2011年には中国、カナダ、オーストラリアが高い実績を示したようです」と、セレント・バンキンググループのシニアバイスプレジデントのバート・ナーターは述べています。「米国では融資部門の損失が沈静化したことで利益が回復しましたが、リテール分野での収益に規制からの圧力が重くのしかかっています。欧州は経済危機で身動きできない状況です」
このレポートでは、コーポレートバンキングの収益の世界的トレンドについて述べた後、モバイルRDC(リモート・デポジット・キャプチャー)、モバイルバンキング、オンラインチャネル、タブレット端末などのデジタルチャネルや、アウトソーシング、新たなビジネスモデルについて深く掘り下げています。さらに、日本におけるバンキングシステムの共有、中国におけるベンダーの動向、データ収集や顧客分析などの分析手法、中国のリスク管理についても考察しています。