金融機関利用者の顧客データ共有に関する意識調査
Abstract
顧客データの活用を目指す金融機関の前には、大きな可能性が広がりつつあります。 しかし顧客の側は、具体的な代償を得ることなく情報を共有することには慎重でしょう。
本レポートでは、消費者の自らのデータに対する姿勢が変わりつつあること、またそうしたデータの利用を望む金融機関が考慮すべき重要事項を明らかにします。
「消費者は、明確に定義された論理的な方法でデータを共有することを望んでいます。一方、データ共有プログラムの背景にある真意を気に掛けており、その代償が明白にならない限り情報の共有を認めたがらないでしょう」と執筆したセレントCEOのクレイグ・ウェバーと、保険プラクティスのシニア・アナリスト、クレイグ・ビーティーは述べています。
「当然ながら、プライバシーをめぐる懸念は存在します。しかし、我々が調査した消費者は銀行や保険会社に対して驚くほど高い信頼を寄せています。彼らは、データを共有することで消費者としてどのようなメリットを得られるのか、具体的な説明を求めているように思われます。従って、金融機関が他に先駆けてこうした説明を十分に行えば、すぐにデータを活用するチャンスを得られるでしょう」とウェバーは述べています。
調査結果によると、消費者は、自分たちの個人データは、既に銀行や保険会社によって利用されている、と考えているようでした。このことから、今後のデータ利用拡大の可能性が改めて確認されたといえるでしょう。
レポートでは米国および英国の消費者2,648人を対象に行った調査をもとに、①消費者がデータ共有に対してどの程度前向きであるか② データ共有をめぐる価値提案が顧客ロイヤルティの獲得につながるのはどの分野か③保険会社はデータ共有を追及するプロジェクトにいかに取り組むべきか―について明らかにしています。