生命保険文書の電子交付はなぜ進展していないのか?:ユー・ガット・メール【抄訳版】
Abstract
(このレポートは2015年11月16日に" You’ve Got Mail: Two Decades Later, Why Are We Still Talking About E-Delivery Rather Than Doing It?" というタイトルで英文で発表されましたが、抄訳版を2016年4月20日に発行しました。)
生保の新規契約や保険サービスプロセスにおけるデジタル化への努力は継続しています。北米の生命保険会社における文書電子化のプロセスと現状を探索しました。
KEY RESEARCH QUESTIONS | |
1 | 保険文書の電子交付はなぜ重要なのか? |
2 |
文書の電子交付は一般的に導入されているか?どのような文書が電子交付に適するか? |
3 | 保険会社は電子交付化に何を期待するか? |
Eメールは、1970年代初めの開始以来、インターネット上で最も広く利用されているテクノロジーへと進化してきました。文書を送信するのにEメールを利用することは、デジタル化の最たる例です。なのに、なぜ生命保険ではいまだに電子文書による書類の配信が主流になっていないのかという根本的な疑問が浮上します。
セレントは、生命保険会社における保険書類の電子交付の採用状況を把握するために調査を実施しました。本レポートでは、北米の保険会社17社を対象とする調査に基づいて、以下の領域に焦点を当て分析しています。
- 文書電子交付の進展
- 電子交付される可能性が高い文書
- 電子交付化のメリットと課題
調査対象の生命保険会社のうち電子化した文書を配信していたのはわずか25%でした。多くの保険会社において、電子交付化しようとしても、レガシーシステムと限られた予算が障害になっていました。しかし、調査対象の保険会社はいずれも、文書電子交付化プロジェクトを重要視し、他のデジタル化構想とともに優先すべきであると考えています。
「保険会社は、文書の電子交付によるメリットを認識しています。来年に向けて予算が組まれていることから、多くの会社で優先事項となるでしょう。生命保険会社は特にデジタル化競争から取り残されており、追いつくためには行動を起こす必要があります」と、セレント保険プラクティスのシニアアナリストでレポートの共著者であるコリーン・リスクは述べています。