北米保険会社によるBPOの市場調査:委託契約の分析
A Deal Analysis
Abstract
セレントは、北米保険業界におけるビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)の最新動向を調査しました。
昨今の経済状況を受け、保険会社にとってはコスト削減が改めて最重要課題となっています。
保険業界では、徹底的なコスト削減圧力、ネットワーキングおよびコミュニケーション関連テクノロジーの飛躍的な進歩、柔軟性の高いビジネスモデルに対する評価の高まりなどを背景に、ほぼ全ての会社が業務のマルチソーシングを検討しています。中核業務プロセスの外部委託は以前では考えられないことでしたが、今や多くの保険会社はこれを実行可能な代替手段と捉えています。セレントの最新レポート「2011年 北米保険会社によるBPOの市場調査:委託契約の分析」 は、北米の保険業界におけるBPOの現状を紹介しています。
「セレントはこれまでもBPOについて取り上げてきましたが、今回のレポートは過去のリサーチを更新・拡大する内容になっています。今回はACORD Capability Modelを使って保険業務のプロセス全体について検証しています。この独自ツールによって、保険会社がどの業務をアウトソーシングしているかを全て把握することができます」と、セレント保険グループのシニアアナリストでレポートの共同執筆者であるマイク・フィッツジェラルドは述べています。
「保険会社向けの様々なBPOサービスを幅広く検証した結果、平均的な損害保険契約に関連するサブプロセスは生命/年金/医療保険契約に比べて少ないことがわかりました。生命/年金/医療保険やマルチライン保険の契約は「エンド・ツー・エンド」の要素がより強く、関連業務も多くなっています」と、保険グループのアナリストで共同執筆者のカレン・モンクスは述べています。
本レポートは、保険会社にBPOサービスを提供している企業への取材をもとに、こうしたサービスの現在の利用状況を明らかにしたもので、今後の議論のたたき台として役立つと思われます。計26社から得た既存のBPO契約に関する情報には、対象となる業務、年間契約総額、業務に従事する正社員の数、顧客のために代行している具体的なビジネス・プロセスなどが含まれます。レポートの最後では、保険中核業務のBPOサービスの市場規模を推計するほか、市場の現状を分析したうえで今後の見通しを示しています。