欧州保険市場におけるBPO
Abstract
セレントの予測では、欧州における保険コア業務のビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)市場は今後5年間に渡って年平均14%のペースで拡大する見通しです。
欧州における保険コア業務のBPOは、巨大な市場を形成しています。セレントは最新レポート「欧州保険市場におけるBPO」で、その市場規模が2006年の14億ユーロ(約2,000億円)から2011年には28億ユーロ(約4,100億円)に拡大すると予測しています。
すでにBPOを導入している保険会社のほとんどが、さらに対象業務の拡大を検討しており、多くの会社がより高度なBPO戦略を追求しています。また、単なるコスト削減だけでなく、様々な目標の達成に向けてBPOを導入する保険会社が増えています。レポートではこうしたトレンドを検証するとともに、保険業界における現在のBPO導入状況をまとめ、BPOの契約状況を保険会社のタイプ、規模、ビジネスプロセスに着目して分析しています。
「保険会社は依然としてコスト削減圧力にさらされており、経営会議ではその対策としてソーシング戦略が議論されるケースが増えています」と、セレントのシニアアナリストでレポートの執筆者であるキャサリン・シュミットは述べています。「BPOに対する全体的な許容度や組織としての戦略的目的が反映されるため、保険会社各社はそれぞれ異なるBPO戦略をとっています。しかし、特に英国を中心に、より高度な内容のBPO契約を結ぶ保険会社が増加している様子がうかがえます。」
シュミットはさらに、付加価値税(VAT)の適用が不透明であることでBPOの導入が抑制される可能性があるとコメントを続けます。「弊社の集計した契約データでは、こうした不透明さによる影響を最も受けやすいのが、500~1,000万ユーロ(約7億~15億円)規模の契約であることを示しています」
レポートは、欧州でBPOサービスを提供している17の業者が保険会社と結んでいる計160件の契約データに基づいて書かれています。具体的には、Accenture、Capita、Computer Sciences Corporation、EDS、Exl Services、Genpact、HCL Technologies、Liberata、Mphasis、Percana、Innovation Group、TCS、Unisys、Vertex、Wipro、WNS、Xansa.の17社です。
レポートでは、BPO市場の概要を示し、課題と成長分野について論じるほか、BPO契約全体の動向についても分析しています。
本レポートは12図と4表を含む全30ページで構成されています。
注)ユーロから日本円への換算レートは、2006年6月30日の仲値(三菱東京UFJ銀行公表による)を参照。