アジアの株式市場:海外資本流入の呼び水に
Abstract
アジア・パシフィック地域の国々は他の発展途上国を上回る経済成長率を達成しており、注目を集めています。高いリターンと規制緩和を背景に、海外からの資本投資を呼び込んでいます。
セレントの最新レポート「アジアの株式市場:海外資本流入の呼び水に」は、アジア・パシフィック地域への海外資本の流入拡大を分析しました。中国、香港、インド、台湾、韓国、シンガポールなどの国々は、好調な経済を背景に海外資本の呼び水としての役割を果たしています。同地域に積極的に進出している大手グローバル証券は、現地の事業基盤を強化することで機関投資家向けサービスを向上し、バイサイドのニーズ拡大に対応してきました。
ここ数年、アジア市場のほとんどで海外ポートフォリオからの投資が持続しており、これは最近の世界の主な金融トレンドの1つとなっています。これらの国々ではいずれも海外からの流入資本の50~75%を米国および欧州(主に英国)が占めています。
2006年には、流通市場での海外機関投資家による純投資額は460億米ドルに達しました。投資総額は約620億米ドルで、新興経済地域の中では最大を記録しています。
「アジア地域の経済成長、リターンの高さ、テクノロジーの進歩、規制緩和、多大な開発余地などが原動力となり、今後3~5年は世界の投資家はアジア株式市場への関心を向け続けるでしょう」とセレントのアナリストでレポートの共同執筆者であるプラシマ・ラジャンは述べています。
”機関投資家の獲得競争を繰り広げる証券会社にとっては、テクノロジーが重要な差別化要因になっています。「アジアでは5年前に電子取引が始まったばかりですが、今では証券会社やバイサイドの金融機関は高度な自社開発システムやベンダーシステムを使うようになっています」 とセレントアジアリサーチグループのマネージング・ディレクターでレポートの共同執筆者でもあるニール・カタコフは述べています。「中国やインドなどの新興市場においても、証券会社は高度な電子取引システムを導入する構えをみせています。」
レポートは、経済成長、高リターン、規制改正、テクノロジーの進歩といった要因の分析を通じて、アジア・パシフィック地域における成長の原動力を明らかにしています。さらに、プライマリーマーケット(発行市場)およびセカンダリーマーケット(流通市場)双方において成長をもたらすトレンドを分析しています。レポートで取り上げた国は、いずれも成長性の高い投資市場として評価しています。
本レポートは33図と7表を含む42ページで構成されています。