2021/04/18
損害保険会社の視点から
Abstract
パンデミック前、損害保険業界で「デジタル・アクセラレーション」という言葉が使われることはなかったが、今や頻繁に耳にするようになっている。ハイパー・パーソナライゼーション、保険以外の商品と保険商品のバンドリング、AI活用の拡大など、様々なディスラプティブな波が押し寄せており、損害保険業界がトランスフォーメーションの入り口にあることは明らかだ。新たなバーチャル世界と新興テクノロジーがもたらす変革的な影響が見え始めたことで、デジタル・アジリティ、コストの最適化、業務のさらなる効率化を追求する動きが加速している。損害保険会社の多くは、ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)を通じてこうしたニーズに対応しようとしている。
セレントは我々のリサーチパネルに参加する複数の損害保険会社を対象に、RPAの導入状況を調査した。回答者の多くはRPAを導入済みであるだけでなく、2021年に投資を拡大する計画を立てている。各社ともRPAの導入により幅広い恩恵を受けている。具体的には、コスト削減や業務効率化などRPAの主なメリットとして知られていることのほか、投資利益率(ROI)の改善、データの質の向上、保険金請求処理の迅速化、顧客エクスペリエンスの拡充などである。AIやマシンラーニングを使って非構造化データが抱える難題を解決すれば、画像、電子メールなどにもデータ処理の自動化を広げることが可能になる。