メキシコの資本市場におけるテクノロジーのトレンド
Abstract
メキシコではここ数年、規制改革に加えて市場の電子化と自動化が大きく進展し、多くのメリットがもたらされています。既存のITプラットフォームを合理化し、主に大手のグローバルベンダーから新規システムを購入しようとする意欲が高まっています。
メキシコは中南米地域の中でも経済規模が大きく、米国など近隣諸国との経済的結びつきも強まっています。しかし、同市場はいまだ発展途上にあり、世界の主要資本市場に肩を並べると認められるには売買高と先進性の両面でさらなる進歩が必要といえるでしょう。メキシコ市場では、①セルサイドのトップ金融機関の大部分が外資系である②国内プレーヤーの多くは続く2番手および3番手となっている―という二重構造になっています。
メキシコでは、国内市場の競争力を向上させ、海外の金融機関を呼び込むため、規制強化が進められてきました。しかし、同国の経済は複数の構造問題を抱えており、IT機能をさらに合理化する必要があります。
「メキシコの規制環境は、ブラジルなど周辺国に比べて柔軟性が高いといえるでしょう。 そして、グローバルな金融機関にとっては、他の中小規模市場におけると同様、競合他社との競争が激化しています」とセレント証券グループのシニアアナリストでレポートを執筆した アンシュマン・ジャスワルは述べています。
レポートではまず、メキシコに進出している金融機関とベンダーに適用される規制要件を明らかにしています。次に、法律と企業カルチャーをめぐる課題、ここ数年の資本市場におけるITインフラの進化状況、金融機関のフロント/ミドル/バックオフィス向けシステム市場における外資系ベンダーのビジネスチャンス、現地で採用されているベンダー選定・価格決定モデルについて解説します。最後に、外資系および現地のベンダーが市場に投入しているITプラットフォームの機能、実装、導入をめぐる課題を取り上げています。