2006年グローバル・プライム・ブローカレッジ・テクノロジー調査
Abstract
セレントは、成長著しく収益性の高いプライム・ブローカレッジ市場におけるテクノロジートレンドを探るため、大手プライム・ブローカー12社対象の調査を実施しました。
ヘッジファンド業界は、なお驚異的なペースで成長を続けています。最近のファンドの運用リターンの低迷や、業界を覆っていた秘密のベールを一部剥がしそうな勢いの監督当局による監視強化にもかかわらず、ヘッジファンドは投資手段としていまだ抜群の人気を維持しています。
セルサイドの金融機関にとって、プライム・ブローカレッジは、より収益性の高い顧客サービスの中心的な要素です。伝統的なバイサイドの顧客が、自らに有利な手数料体系を要求してセルサイドの利益率を圧迫してきたのに対し、ヘッジファンドは、バンドルサービスと注文執行のいずれにおいても高い売買手数料を支払う構えを見せています。
セレントは最新レポート「2006 年グローバル・プライム・ブローカレッジ・テクノロジー調査」で、ブローカー・ディーラーの投資トレンドとシステム開発プロジェクトに関する詳細な分析を提供します。この分析によると、ユーザーの要求への対応が、ヘッジファンド業界のサポートを目指すブローカー・ディーラーにとって、引き続き主要課題です。伝統的な大手プライム・ブローカーも新規参入組も、より先進的な、そしてカスタマイズされたアプリケーションを求める様々な顧客層と対しています。
セレントは、また、今後1年から1年半の間のプライム・ブローカーの主なテクノロジープロジェクトは、リスク分析に集中すると見ています。また、それに次いで、アルゴリズムおよびプログラム・トレーディング・ツールの導入、報告書作成機能の追加、そして顧客へのウェブを通じた口座情報や取引アプリケーションへのアクセス提供になる見通しです。
「ブローカーが収益性の高いプライム・ブローカレッジ業務の利益を追求するにつれて、今後数年間は業界内のテクノロジー開発が急速に進むでしょう」と語るのは、セレント証券プラクティスのマネジャーでレポート執筆者であるハレル・スミスです。「ブローカー・ディーラーでは主要開発プロジェクトの遂行を引き続き社内スタッフに頼っていますが、その一方、パッケージ・ソリューションやカスタマイズされたサポート/開発をアウトソースする傾向も続いています。」
プライム・ブローカレッジ市場では、従来から支配的な立場にあった伝統的プレイヤーが利益をほぼ独占する状況が続いていますが、次第に乱戦模様になりつつあります。セレントの推計では、2000~2004年にはトップ10社だけでヘッジファンド関連プライム・ブローカレッジ手数料のシェア約80%を握っていました。現在、積極的な市場参入を進めているブローカーが、成長を続けるヘッジファンドをサポートするシステム開発とコンサルティングサービスに大規模な投資を進めるにつれて、新規参入組が手数料収入のシェアを拡大するでしょう。
本レポートは23図と4表を含む全32ページから構成されています。