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コーポレート・バンキングにおける顧客関係性強化

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2006/04/06

Abstract


(このレポートは2006年4月6日に"Courting Corporate Relationships"というタイトルで英文で発表されましたが、和訳版を2006年12月5日に発行しました。)

セレントは、コーポレート・バンキングにおける顧客関係性の拡大・強化に成功した2つの銀行の事例を検証しました。

コーポレート・バンキング業務は、長い間顧客との関係を基盤としてきました。このためこの分野では、多くの金融機関が顧客ごとに専任のリレーションシッ プ・マネジャーを任命するというビジネス戦略をとってきました。担当者によるコンタクトは重要かつ必要な要素ではありますが、多くの銀行が法人顧客との関 係構築をテクノロジー面から支援する努力は怠ってきました。銀行が法人顧客と理想的な関係を築くには、ビジネスプロセス、スタッフ、テクノロジーを効果的 に網羅する戦略を策定・実行することが必要です。

セレントの最新レポートコーポレート・バンキングにおける顧客関係性強化は、コーポレート・バンキング分野に進出した2行のケースを取り上げ、法人との顧客関係性を巡る戦略の概要を明らかにしています。

リレーションシップ・マネジャーが取引先のニーズに効率的かつ効果的に対応していくためには、重要な顧客情報を備えておく必要があります。リレーション シップ・マネジャーが顧客との関係の詳細や顧客の保有商品について把握していなければ、十分な関係の発展・強化は望めません。法人顧客の企業情報を完全に 把握することは、選択肢ではなく絶対要件と認識するべきです。

「銀行は、法人顧客の企業情報の把握に力を注ぎ、顧客のニーズのより深い理解に努める必要があります」と、セレントバンキングプラクティスのシニアアナリストで本レポートの執筆者であるジェイコブ・イエーガーは 述べています。「これは、クロスセリング、商品のマーケティング、顧客サービス、さらには顧客関係全般を強化するための重要な第一歩なのです。商品販売 ツール、意思決定支援ツール、分析ツールとともにセールスフォース・オートメーション(SFA)システムを活用することで、リレーションシップ・マネ ジャーは銀行のビジネス拡大に効果的かつ戦略的に貢献できるでしょう。」

本レポートでは、顧客中心主義の促進とクロスセリングの拡大をサポートするソリューションの導入に成功したニューヨーク銀行とLaSalle Bankの2行のケーススタディを紹介しています。

ニューヨーク銀行: 急成長を遂げているニューヨーク銀行は、クロスセリング、顧客関係性、生産性、効率性の拡大・向上に成功した最良の実例です。同行の経営陣は、 SiebelとHeadstrongをベンダーに選定しました。同行の目標は次の5点でした。①世界中でアクセス可能なカスタマイズ仕様のウェブベース SFAシステムの構築、②情報共有化の促進、③クロスセリングと収益の拡大、④顧客サービスの向上、⑤数多くのCRM/トラッキングシステムの保守・管理 コストの削減。同行のプロジェクトは総じて大成功を収め、顧客担当スタッフのシステム利用率は極めて高水準に達しました。また、クロスセリングの拡大、行 員の生産性・効率性の向上、営業戦略の強化、全般的な顧客満足度の向上、システム保守・管理コストの削減なども達成しています。

LaSalle Bank: 先進的なLaSalle Bankは、容易にアクセスできる電子化した商品やソリューションの情報を、リレーションシップ・マネジャーに大量に提供できるシステムの構築をSavo グループに依頼しました。システム開発にあたり同行が設定した目標は、①顧客へのより迅速かつ効率的な情報伝達手段を、リレーションシップ・マネジャーに 提供する、②法人・中小企業向け商品のクロスセリングを拡大する、③印刷書類の印刷や保管のコストを削減する、というものです。同行は、営業部門のサポー トを、リレーションシップ・マネジャーの顧客関係性拡大・強化戦略を支援する効率的で総合的なプロセスへと、発展させることができました。また、こういっ た確かな導入効果を示す統計データの他にも、リレーションシップ・マネジャーにとって効率的で便利な商品情報へのアクセス手段の提供、印刷・保管コストの 削減、クロスセリングの拡大といった数多くの成果を上げています。

このレポートは、6図と3表を含む全25ページで構成されています。