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EUにおけるモバイル金融サービスの主要トレンド

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2009/07/20

Abstract


(このレポートは2009年7月20日に"Key Trends in Mobile Financial Services in the European Union"というタイトルで英文で発表されましたが、日本語版を2009年12月24日に発行しました。)

欧州連合(EU)は単一の経済圏として、加盟国の携帯電話普及率(大部分が100%超)やそのテクノロジー規格はほぼ足並みが揃っています。しかし、国ごとにモバイル金融サービスの普及状況が大きく異なっているのが現状です。

セレントの最新レポート「EUにおけるモバイル金融サービスの主要トレンド」は、EUにおけるその普及状況と成長機会について明らかにしています。モバイル金融サービスにはモバイルバンキングとモバイル決済が含まれますが、EUの加盟国ごとにその内容は様々です。その要因は、モバイルテクノロジー以外であると考えられます。

金融サービスの普及状況は、インターネットバンキングの普及率と既存の決済システム(カード決済など)の発達度に大きく左右されます。インターネットバンキングが根付いている国ほど、モバイルバンキングは補助的な役割にとどまる傾向が強く、既存の決済システムが発達している国ほど、モバイルバンキングはニッチサービスとしての役割を担うようになります。こうした要因は国による違いが大きいため、モバイル金融サービスの環境はEU内でも一様ではありません

出典:セレント

「EUにおけるモバイル金融サービスは成長が見込まれるとはいえ、この分野のプレーヤーは、あらゆる市場に対応可能な『万能の』アプローチが存在しないことを十分認識すべきでしょう」とセレント銀行プラクティスのアナリストでレポート執筆者のペリン・フィオリーナは述べています。

レポートでは、EU加盟国および地域における将来のモバイルバンキングを以下のようなタイプに分類しています。

  • インターネットバンキングの補完としてのモバイルバンキング: 北欧諸国、フランス/ベネルクス諸国、ドイツ/オーストリア、英国/アイルランド
  • インターネットバンキングと同等チャネルとしてのモバイルバンキング: バルト諸国、中欧諸国およびイベリア半島諸国
  • 電子バンキングの単独かつメインのチャネルとしてのモバイルバンキング:地中海諸国およびブルガリア/ルーマニア

今後、モバイル決済の果たす役割は、以下のように分類できます。

  • 「ニッチサービス+α(送金など)」の提供: 英国/アイルランド
  • ニッチサービスの提供: 北欧諸国、ドイツ/オーストリア、フランス/ベネルクス諸国、イベリア半島諸国、バルト諸国、地中海諸国
  • より広範囲のサービスの提供: 中欧諸国およびブルガリア/ルーマニア

レポートでは、EU加盟国および地域の背景的なデータのほか、これらの国々での最新モバイル金融サービス関連プロジェクトについて紹介しています。

本レポートは17図と2表を含む32ページで構成されています。