銀行におけるAI:どこから着手すれば?
2017/08/24
Key research questions
- バンキングにおける人工知能(AI)とは何か?
- 銀行にとってAIはなぜ重要なのか?
- 銀行は業績改善のためにAIをいかに活用するか?
Abstract
バンキングにおけるAIは様々な形式がありますが、金融機関の多くはまだそうしたテクノロジーの導入に踏み切っていません。まずは、AIが自行のどの部分に付加価値をもたらすのか、また具体的にどのテクノロジーから評価し始めたらいいのかを検討すべきでしょう。
バンキングと人工知能(AI)についての記事はあふれており、実際の銀行業務の実態からすると先走りしていると言えるでしょう。現時点でAIを採用している、あるいはAIについて本格的な調査を始めている銀行は比較的少数にとどまっています。そこで我々は本レポートを銀行向けAIの入門書と位置づけ、最新トピックについて解説するとともに今後の方向性を提示します。
セレントは、バンキングにおけるAIを「従来は直接人が関与する必要があった推論や意思決定を行うテクノロジー」と実践的アプローチで定義します。マシンラーニング や自然言語 に関する重要かつ相互に関連する一連のテクノロジーは、全てAIによって支えられています。重要なのは、AIは単なる自動化にとどまらないことです。 処理の迅速化、データセットの拡大、数千に及ぶルールの厳格な適用が可能になるといった進歩は優れた成果を生み出していますが、従来のタスクをより効果的に行っているにすぎません。AIの極めて重要な特性の1つは、現実の世界のあいまいなインプットにも確率を駆使し対応できることです。バンキング用に開発されたAIアプリケーションのうちアナリティクス、ボット、ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)、レポート作成の4つは特に重要と言えるでしょう。