法人顧客向け付加価値サービスの開発: API導入における障害の克服
Key research questions
- APIにより可能となる付加価値サービスを法人顧客に提供する際の障害とは?
- 銀行はAPIの商業/法人銀行への導入における障害をどのように克服することができるか?
- 銀行/ 銀行以外の金融機関のプロバイダーは、法人顧客向け付加価値サービスを開発するためにAPIをどのように利用しているか?
Abstract
多くの銀行は、企業財務担当者がリアルタイム決済をあまり必要としていないことに失望しており、明快な投資ビジネスケースがないことから、ビジネスに特化したAPIへの投資を延期している。しかしリアルタイム決済は、APIにより可能となる新しく革新的な付加価値サービスの多くのユースケースの一つにすぎない。銀行も企業財務担当者も、APIがどのようにデジタルの課題を克服し、付加価値サービスを可能とするか認識しているが、API導入における障害は依然として残っている。
セレントの世界中のオープンバンキング開発者のポータルの詳しい分析は、会社概要へのアクセス、現在の口座残高/取引、電信送金や外国為替契約のようなビジネスサービスを含むコマーシャル商品/サービスにAPIを適用した銀行はわずかしかないということを示している。API投資の明快なビジネスケースがないことの他にも、レガシーITインフラの制約、APIについての乏しい知見、テクノロジーに関して認識されているリスク等が、銀行の障害となっている。
本レポートでは、商業/法人銀行がAPIを導入する際の障害を克服するための重要な手順について概要を述べている。それらの手順とは、リアルタイム接続ができるようにし、APIの知識を深め、説得力のあるビジネスケースを開発し、APIとオープンバンキングに関連するリスクを管理することである。最後に、リアルタイムAPIを利用している銀行/ 銀行以外の金融機関のプロバイダーについても紹介しているが、彼らはAPIを利用した統合向け付加価値サービス、バンキング・アズ・ア・サービス(BaaS)、バンキング・イノベーション、および顧客コネクティビティ等によって、業績を伸ばしている。
(詳しい情報は、セレント北川俊来TKitagawa@celent.comまでお問合せください。)