SEPA導入による影響:欧州域外へ
2011/10/06
Abstract
欧州ではSEPA(単一ユーロ決済地域)導入による影響が広く認知されるようになっていますが、その幅広いインパクトは域外にはほとんど及んでいません。
セレントの最新レポート「SEPA導入による影響:欧州以外へ」は、SEPAが欧州以外の国々に及ぼす可能性のあるプラスまたはマイナスの影響についてその範囲と大きさを検証しています。セレントでは、これと関連してSEPA再考:現在に至る経緯を検証と題するレポートも発行しています。
SEPAに関しては、世界標準の通信メッセージフォーマットISO 20022を開発し新たに採用したことなどがよく知られていますが、各銀行が縦割りの決済ネットワークを運営しているため、全体の状況は見えにくくなっています。ただ明らかなのは、その影響は多くの人が思っている以上に広範に及び、既に欧州域外の決済にも変化を与えている点です。
「決済業務はますますグローバル化が進んでおり、どの国も他の国々の動向を監視し、その影響を把握すると同時に、自国の決済システムの改善に役立てようとしています」と、シニアアナリストでレポート執筆者のガレス・ロッジは述べています。
「死や税金と同じく、規制もいまや避けられない存在になっています。銀行が将来の変化を予測するためには、規制強化の裏にある事情を理解することが重要です。これを実践し、規制強化の波に抗うのではなく規制当局との連携を図る銀行は、変化にもうまく対応できるはずです」とロッジは付け加えています。
レポートはSEPAがもたらす具体的な変化を明らかにし、不確定ながら、SEPAが導入される可能性が高い地域や強い影響を受ける可能性のある地域を挙げています。