ブランチ・イメージ・キャプチャー・ベンダー:確かな導入の動き
Abstract
コミュニティ・バンクや信用組合が、記録的な台数のブランチ・イメージ・キャプチャーを導入しています。一方、大手銀行では、こうしたテクノロジー提案に対する討議が続く状況で、導入は進んでいません。
何年間も伸び悩んできたブランチ・アイテム・キャプチャー(BIC)ですが、ここにきてようやく導入の動きが進んできました。画像イメージ交換の急速な進展に支えられて、特に中小金融機関においてはBICソリューションの導入はかつてない規模で拡大しています。このような状況を踏まえると、2006年に新たにBICソリューションを導入する金融機関数は数百に上る見通しです。全体では、少なくとも金融機関900社がBICをすでに導入し(あるいは導入中)、キャプチャー・ポイントは合わせて75,000箇所に広がり、その多くはテラーカウンターに設置されています。また、ベンダーにおいては、まだ出荷仕切れていない同ソリューションの受注台数が、すでに82,000台以上に上っています。ブランチ・キャプチャーを慎重に試験導入していた時代は、もはや遠い昔のことです。
セレントは最新レポート「ブランチ・イメージ・キャプチャー・ベンダー:確かな導入の動き」において、ブランチ・キャプチャーの導入を検討中の銀行が、現在入手可能な一連のソリューションを比較しています。レポートで取り上げて調査した製品のは、Alogent Corporation、Carreker Corporation、Metavante Image Solutions、NCR、Open Solutions、ProfitStars、VSoft Corporation、WAUSAUのベンダー8社が提供する製品です。各ベンダーの評価は、セレントの「ABCDベンダービュー」に基づいて行いました。この分析手法は、「テクノロジーの先進性」「機能の幅」「顧客基盤(エンドユーザー数)」「顧客サービスの充実度」の4カテゴリーにおける各ベンダーの相対的な位置付けを一目でわかるように図表化したものです。
この分析の結果、4カテゴリー全てで最高評価を得たベンダーはありませんでした。しかしながら、「テクノロジーの先進性」と「機能の幅」の2カテゴリーにおいて、VSoftの総合的な優位が際立っています。同社は最近顧客獲得数も伸ばしており、その優位性を一段と確実なものにしています。「テクノロジーの先進性」に関してはベンダー間で差が見られますが、これはコンピュータベースのクライアント/サーバからWebサービス・アーキテクチャへの移行の進捗状況がベンダーによって異なる事情を反映したものです。一方、機能の幅に関しては、ベンダー間の差はほとんどありません。Metavanteが主導的な位置にあり、ベンダー間の評価を分ける機能差がわずかに存在します。また、顧客基盤ではMetavanteとAlogentの優位が顕著であり、顧客数ではMetavante(Alogentの250に対し350以上)、販売台数ではAlogent(Metavanteの28,000台に対して41,000台)がそれぞれ上回っています。Alogentは、複数の認証業務のテラーシステムの統合という難題を実現しており、レガシーペイメントシステムの統合にも豊富な実績を持つなど、サービスの充実度においても先行しています。
また、レポートではBICの簡単な概要を示し、今後のトレンドを予測し、さらに今後のテクノロジー導入に何が影響を及ぼすかについても論じています。「特に大手銀行では、テラー・キャプチャーを巡っていまだに白熱した議論が続いています。これは『2つの世界の衝突』を象徴するものです。銀行は、これまで歴史的に分かれていた小切手業務とリテールバンキング間の利益を合致させる必要に迫られています」と、セレント銀行プラクティスのシニアアナリストで、本レポートの執筆者であるボブ・ミーラは語っています。
本レポートは、リモートキャプチャー・ソリューションのベンダー分析をまとめた「リモートキャプチャー・ソリューションベンダー:“Crossing the Chasm”」(2006年7月18日発行)と対を成すものです。両レポートは、いずれも業界を席巻する重要トレンドである「分散型イメージキャプチャー」に焦点を当てています。大小の規模にかかわらず金融機関にとって、分散型キャプチャーの導入は、業務上、競争上の両面からの必要性もあり、ますます避けられないものとなっています。