2017年 中南米の勘定系システム: ローカルベンダー分析
2017/10/04
中南米ではデジタルサービスに対する銀行顧客のニーズが拡大するなか、勘定系システムのマーケティング活動が活発になっています。
Key research questions
- 勘定系システム市場に影響を及ぼしているトレンドとは?
- 各ソリューションの導入件数は、その競争力を反映しているか?
- 唯一無二の「ベスト」な勘定系システムは存在するか?
Abstract
中南米の勘定系システム市場は独特で、ベンダーの動向も特有といえます。同市場では、一度大きな案件を成約すれば、長期にわたって収益性の高いビジネスを維持できるため、極めて戦略的なアプローチがとられています。
これまで中南米市場を席捲してきたのはローカルのベンダーでしたが、グローバルベンダーはあらゆる規模の銀行と新たに関係を構築しようとしています。このため、本市場の動向に加え、主要なベンダーについても理解することは重要です。
本レポートは、中南米市場で勘定系システムを手がけているローカルベンダーに焦点を当てました。
勘定系プラットフォームは銀行口座の動きを記録するメインシステムであり、あらゆる銀行においても最も重要なシステムコンポーネントです。そのため、勘定系システム入れ替えの判断は容易ではありません。同システムの入れ替え作業は、飛行中の航空機のエンジンを取り換えるようなものだと言われてきました。入れ替えには多大なコストとリスクが伴います。従って、金融機関にとって最適なベンダーを選定することは重要な作業です。
入れ替えに伴う複雑な問題を避けるため、多くの銀行は、導入後数十年が経過したシステムをいまだ運用し続けています。販売チャネルの進化やデジタル化を受け、プラットフォームにかかる負荷はこの10年で増加しました。一部の金融機関は、既存の勘定系システムでは今日のニーズの進化に対応しきれないと考えています。銀行は、他のテクノロジーを活用することで、これまで勘定系システムの抜本的な刷新を先延ばしにしてきましたが、それも限界に達しつつあり、レガシーシステムの入れ替えを選択する動きが出てきています。