ニューヨーク証券取引所の注文執行クオリティ
Abstract
ニューヨーク証券取引所における電子発注システム(EOB)のシェアは、前回調査を行った2014年3月以降落ち着いており、前回同様59%となっています。一方、スペシャリストと指定マーケットメーカー(DMM)のシェアは前回の33%から28%へと減少し、マーケットメーカーは 7%から12%へと上昇しています。
本レポートは、2014年6月1日から8月31日までの3ヵ月間に執行された180億件を超える売買注文の分析結果をまとめたものです。セレント証券グループ・シニアアナリストのアンシュマン・ジャスワルが、130の市場参加者を注文執行のスピードと約定価格に基づいて評価し、ランク付けしました。
注文執行スピードと約定価格の改善の両方で評価が高かったのはNYSE Arca、 BATS Exchange、Citadel Derivativesです。このほかUBS Securities、 Knight Capital 、 BATS Y-Exchangeも上位にランクされています。
下表はEOBの総合ランキングを示しています。約定価格の改善ではBATS Y-Exchange、 NYSE Arca 、BATS Exchangeが上位を占めています。注文執行のスピードでもNYSE Arca、 BATS Exchange 、EDGX Exchangeがトップ3を占めています。2つのカテゴリーを合わせた総合ランキングではNYSE ArcaとBATS系の2つの取引所が他のEOBをリードしています。
下表はマーケットメーカーの評価を示すもので、約定価格の改善では, Knight Capital、 Citadel Derivatives、UBS Securitiesが上位を占め、注文執行の平均スピードではCitadel Derivatives、 BNY Capital Markets、G1 Execution Servicesがトップにランクされています。
スペシャリストとDMMについては、KCG、Barclays Capital、Goldman Sachsが約定価格の改善で他をリードしています(下表)。また、注文執行の平均スピードでもBarclays Capital、KCG、Goldman Sachsがトップ3にランクされています。
本レポートは38p、25図と9表で構成されています。