インド農村部での生保販売

インドの農村部は生命保険会社にとって新たな開拓市場となっています。この市場で成功するためには、コスト効率の高い販売チャネルの構築と顧客認知度の向上が不可欠でしょう。

インドの生命保険市場は急拡大しています。10年前には1社しか進出していなかった市場で現在は18社が積極的に事業を展開しており、過去5年間、年平均 24%の高い成長を続けてきました。この成長を支えているのは主に都市部ですが、競争の激化に伴い保険会社は都市中心部から未開拓の内陸農村地帯にターゲットをシフトせざるを得なくなっています。農村部では人口7億2,000万人のうち何らかの生命保険に加入している人はわずか3%にとどまっています。

インドの農村部ではここ数年で収入が急速に拡大し、金融商品の購入意欲が大幅に高まっています。都市化の加速に伴い、GDPに対する農村部の寄与度は比率 でみると低下していますが、金額ベースでは大幅に向上しています。保険会社は、こうして拡大した富を有効に獲得するために全力で取り組んでいます。

新たに出現した農村部の生命保険市場を開拓すること で、これらの地域における保険料収入は現在の4億8,700万米ドル（約507億円）から2015年には19.5億米ドル（約2030億円）に急増すると 予想されます。保険会社は、国内の60万を超える農村での市場開拓に向けてきめ細かなモデルの構築を追求する必要があるでしょう。

「農村部の生命保険市場の開拓を進める上では、民間保険会社の進出が決め手となるでしょう。国営保険会社は過去30年間で大規模な基盤を築いており、今ま たこれを再現することは難しい状況です。従って、民間の保険会社が革新的な手法を用いて、困難ながら高収益が見込まれるこの市場で有効な販売チャネルを確 立することが不可欠となっています」とセレント銀行プラクティスのアナリストでレポートを執筆したラビ・ナワルは述べています。

本レポートは、この巨大市場の開拓のカギを握る販売チャネルに焦点を当てています。既存の販売モデルを分析するとともに将来のモデルに関する展望を示し、各チャネルの長所と短所をわかりやすく説明しています。
本レポートは10表と7図を含む34ページで構成されています。

注）ドルから日本円への換算レートは、2008年4月30日の仲値（三菱東京UFJ銀行公表による）を参照。