バイサイドのデリバティブ管理:スワップ取引の円滑化【全訳版】
Abstract
(このレポートは2014年6月27日に"Buy Side Derivatives Management: Oiling the Swaps Machinery " というタイトルで英文で発表されましたが、和訳版を2014年12月8日に発行しました。)
投資運用会社は、規制強化がさらに進む前にリスクおよび透明性に対する体制強化を図るべきでしょう。
セレントの最新レポート「バイサイドのデリバティブ管理:スワップ取引の円滑化」はバイサイドの金融機関におけるリスクおよび規制関連プロジェクトの進捗状況と現在規制強化の標的となっている分野を明らかにし、今後の方向性に関する指針を示しています。投資運用業界は成熟化が進んでいますが、経済全体における金融システムの安定化に向けて、さらに自らの重要度、影響力およびリスクに見合うような進化を遂げ、成熟度を次の段階に引き上げていく必要があります。
「規制当局は、投資運用会社がシステミックリスクの発生源であるとの認識を持ち始めており、金融システムの中で重要な役割を担う最大手の運用会社に対して自己資本比率の引き上げを義務付ける可能性があります。こうした動きはまだ具体化されていませんが、当局が規制強化に踏み切るのもそう遠い先の話ではないでしょう」とセレント証券グループのリサーチディレクターでレポートを執筆したキュビラス・ディンは述べています。
さらに投資戦略の多様性、ディフェンシブ性および『リスクの透明性』が一段と高まるにつれ、バイサイドの金融機関は新たな機能の開発を迫られるでしょう。また、ポートフォリオのパフォーマンス低下の可能性を軽減するためには、スワップ取引・清算サービスを開始してまだ日の浅いプラットフォームへの参加を最適化する必要もあるとみられます。
レポートでは、リスクおよび規制関連プロジェクトの進捗状況を評価し、投資運用会社が変化の激しい環境下で新たな脅威やビジネスチャンスに対応していくために強化すべき重要な機能を明らかにしています。