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FSA(医療費支出口座)におけるフレキシブルなカードの導入

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2006/05/15

Abstract


セレントの最新調査によると、米国における医療費プランFSA(Flexible Spending Accounts
:医療費支出口座)と提携した新しいデビットカードが、FSA市場全体に恩恵をもたらす見通しです。

セレントは、最新レポート「FSA(医療費支出口座)におけるフレキシブルなカードの導入」で、FSA向けデビットカードが同市場にもたらしている変化について調査しています。FSAカードの採用は、実務上の問題や官僚的な手続き、規制などによって、阻まれてきましたが、最近の規制改正で導入の道が開きました。業界では、もはや従来のペーパーベースによる非効率なシステムに縛られることはありません。

FSAカードの導入以前には、参加企業の従業員が、FSAの対象となるサービスや商品の提供を受けるには、事実上2回支払い手続きを行っていました。まず、同口座に給料から天引きされ、その後、実際にサービスや商品を購入する時点で再び支払が必要でした。この制度の根本的な障害になっていたのが、サービスや商品の代価をFSA口座から直接引き落とすことができない点でした。しかし、FSAデビットカードの導入は、この問題を解決すると同時に、FSA口座に関する他の多くの負担も軽減しています。

「FSAカードはFSA市場再生の原動力となりつつあり、従業員と経営側の双方から好意的な関心を集めています。しかし、医療費負担を裏付けるのに必要なデータを入手するのは必ずしも容易ではありません。また、業界はこの問題の克服と同時に、従業員に対するデビットカードの利用可能範囲の教育も必要でした。それでも、いずれの課題についても、解決に向けて様々な措置が講じられてきました」とレポートを執筆したアリアナ・ミシェル・ムーアは語っています。

FSA市場は、確かに、医療費の支払い請求や顧客教育といった課題を抱えています。さらに、今後はHRA(Health Saving Accounts:医療貯蓄口座)やHAS(Health Reimbursement Arrangement :医療払い戻し口座)など他の商品とのシェア争いも激しくなる見通しです。しかし、こうした障害があるものの、デビッドカードの導入がFSAのシステムにもたらす柔軟性が、FSA市場を引き続き活性化していくでしょう。

現在、FSA口座と提携したデビットカードは約600万枚発行されており、FSAプラン加入者の25%が保有しています。短期的にみて、FSAカードの見通しは明るく、同カードの普及がFSA利用率をさらに押し上げるでしょう。現時点でカードの保有率は平均20%程度にとどまっていますが、2010年には85%まで上昇する見通しです。また、カードの普及に伴ってFSAへの拠出額も増加するでしょう。一部のFSA運営者によると、デビットカードの導入効果で従業員の拠出額の30%増加も可能であるとのことです。

本レポートは、FSAカード、業界の抱える課題とその対策、市場機会の概要を示しています。そして、FSAデビットカードの今後のトレンドと同カードがこの先FSA市場で果たす役割に関するセレントの見解で結んでいます。

本レポートは10図と2表を含む全30ページで構成されています。