アジア保険会社のCIOによる2010年の業界展望
Abstract
アジアの保険業界は、世界の他の地域ほど金融危機による影響を受けていないといえるでしょう。セレントがアジア各国の保険会社のCIOを対象に行った調査によると、ビジネス戦略、予算/IT投資、商品/販売チャネルをほとんど変更していないと回答したCIOは全体の44%に上っています。ただ、商品分野によっては成長ペースが減速したケースもみられます。
セレントの最新レポート「アジア保険会社のCIOによる2010年の業界展望」は調査結果にもとづき、業務の拡大、コスト削減、業務の改善、法令順守、商品化スピード、関連ITプロジェクトといったビジネステーマについて論じています。
「金融危機にもかかわらず、アジアの保険会社のIT投資は安定しています。調査に参加した保険会社の85%以上は、2010年IT予算を前年比で増額または同額に設定しています。投資を増額した分野として上位に挙がったのは『引受け/保険契約管理』『顧客サービス担当者向けポータル/端末』『エージェント向けポータル』の3つです」とセレントのアジア・フィナンシャル・サービス・グループのシニアアナリストでレポートの共同執筆者のウェンリ・ユアンは述べています。
出典:セレント
「日本ではソフトウェアの自社開発がいまだ主流であり、保険業界も例外ではありません。しかし、今後数年で外部のソフトウェアの導入を検討する保険会社が急増するでしょう」とアナリストで共同執筆者の孔慶順は述べています。
レポートではアジアの保険会社のIT予算と投資が増額された分野について説明し、引受け/保険契約管理システム、販売および保険金請求に関する関連プロジェクトを紹介しています。また、アジアの保険会社のエンタープライズIT戦略についても検証しています。具体的にはAJAX、ソーシャル・ネットワーク、クラウド・コンピューティング、SaaSなどのITストラクチャ、アーキテクチャ、ITアウトソーシングや最新テクノロジーを取り上げています。
このレポートは14図と9表を含む38ページで構成されています。