損害保険の保険金請求をめぐる最新トレンド
Abstract
保険金請求は戦略的に重要な分野であり、飛躍的なイノベーションによる恩恵を享受しています。
保険会社による業務遂行アプローチ(なかでも保険金請求の分野)のあらゆる側面に変革をもたらしている要因として、データ、位置情報サービス、ゲーミフィケーション、ソーシャルメディア、物体認識、モノのインターネット、顧客期待の変化といった社会の大きな流れが挙げられます。これらは経済、社会およびビジネスに影響を及ぼし、それによって保険業界の将来像や変革のペースを決定づける要因にもなっています。
保険業務の中核となる管理システムを更新および修正する動きが活発化する一方で、保険金請求システムの外側でも重要な動きがみられます。バリューチェーンのあらゆる分野で進化が認められています。例えば、事故発生・保険金請求が最初に連絡された時点での位置情報サービス、写真認識ツールを使った見積もり、3D画像からソーシャル・コラボレーションに至るまで、予測分析からベンダー管理に至るまでの一連のプロセスなど、保険会社は様々な分野でイノベーションを取り入れ、成果を上げています。
「現在、保険金請求の分野では目覚ましいイノベーションが起こりつつあります。保険会社とベンダーはイノベーティブなテクノロジーに投資し、保険金請求業務の効率化、顧客経験の統一化の実現を目指しています」とセレント保険グループのリサーチディレクターでレポートを執筆したカーリン・カーナハンは述べています。
30ページから成るレポートでは、基幹システムをめぐる動きと保険会社に影響を及ぼす社会全体の大きな流れの両方を念頭に、事故報告や保険金請求の最初の連絡(FNOL)、任務の割当、見積もり、保留、支払い、回収、顧客とのやり取り、大規模災害の管理、ソーシャルメディア、データおよびアナリティクス、不正請求といった様々な分野で使われる最新テクノロジーについて50を超える事例を紹介しています。また、今後の動向を予測し、保険金請求の分野における持続的なイノベーションを最優先課題として位置付け、それに備えるための方法を提言しています。