米国保険業界でのACORD XML基準
Abstract
(このレポートは2002年10月9日に"ACORD XML Standards in US Insurance"というタイトルで英文で発表されましたが、和訳版を2003年2月13日に発行しました。)
ACORD XMLの使用によって業界は年間で2億5千万米ドル以上削減できる。
セレント コミュニケーションズによる新レポート「国保険業界でのACORD XML基準」では米国の保険業界は相次いでACORD XMLを導入していると明らかにします。
セレントの保険グループのマネジャーでこのレポートを執筆したマシュー・ジョセフォウイッツは 「セレントのアンケートに回答した保険会社は、ACORD XML基準を使用することによって約20%~30%の統合効率の達成を予想しているか、すでに達成しています。米国保険業界全体にわたって導入されれば、 基準を使用することによってテクノロジー経費を年間で2億5千万米ドル以上節約できるはずです。」と述べています。
財物損害保険会社米国上位50社の 72%、生命・健康保険会社米国上位50社の46%、および上位グローバル再保険会社の52%は ACORD 会員です。ACORD は現在、3種類のXML基準を保守しています。生命保険、財物損害保険・保証保険、そして再保険用の基準です。各基準はデータ定義またはモデル、表形式データ構造、そしてトランザクション ラッパーから構成されています。
セレントの調査によると、保険会社は、次のような5つの理由により基準を導入しています。社外ビジネス パートナーとの統合の迅速化、社外テクノロジー ベンダーとの統合の迅速化、社内統合の達成、社内基準開発にかかる時間と業務の節約、社内における政策的対立の防止。
製作レベルのテクノロジー プロジェクトで実際に基準を使用することは、まだ比較的初期段階にあります。セレントの調査によると保険会社は、次のような主な理由から基準の採用を控えています。ビジネス パートナーがまだ基準を使用していない、基準を使用することにより不要に複雑性が増す、すでに社内スキーマを開発済である、基準が包括的ではない、基準が未完成である。これらの問題点にも関わらず、節約の可能性を考慮すれば保険会社はできるだけ早急にコスト削減を始めるため、先駆者となる懸念に積極的に対応するべきだとセレントでは確信します。セレントでは、XMLを使用した新しい保険ITプロジェクトの大半は、3~4年以内にACORD XML基準に基づくようになると予想しています。
このレポートは2つのケース スタディも紹介しています。同ケース スタディは、テクノロジー プロジェクトに ACORD 基準を導入する保険会社が得る利点と、直面する課題のいくつかを説明しています。最初のケース スタディでは、基準を社内システム開発にて使用している保険会社の体験を検証しています。2番目のケース スタディでは、ビジネスパートナーとの統合目的で基準を使用している保険会社を検証しています。