従量制保険の影響:シナリオに基づく分析
2016/11/29
マイク・フィッツジェラルド
Abstract
KEY RESEARCH QUESTIONS | |
1 | 保険商品のシナリオ分析をするにあたって考慮すべき点は何か? |
2 |
保険商品の価格設定が査定額に基づく方法から従量制モデルに変わったらどうなるか? |
3 | 保険会社が左記をはじめとするビジネスモデルの変化に備える上で、シナリオ分析はいかに役立つか? |
保険商品の価格を査定額に基づいて設定する方法から、保険を利用する頻度に応じて異なる価格を適用する方法に変えた場合、どうなるでしょうか。将来それが常態化すれば、保険の利用頻度が価格の決定要因となるでしょう。本レポートはシナリオプランニングモデルに関するシリーズの第2弾で、保険会社を取り巻く複雑な状況を明確化します。
シナリオ分析を行うに当たっては市場規模、顧客と企業の関係、必要なスキル、競合関係、シナリオの緊急性が今後どのように変化するかを考慮する必要があります。従量制の保険商品が販売された場合、市場規模の縮小、顧客と保険会社の関係の固定化、新たなスキルの開発の必要性、競争の激化などが進むと予想されます。組織全体でコンセンサスを形成し、ビジネスモデル変更に向けた最適なアプローチを決定するために、シナリオプランニングのプロセスと結論をどのように生かせばよいでしょうか。
「従量制の保険商品への移行は、従来型の保険商品の基本業務に影響を及ぼしつつあります」と保険プラクティスのシニア・アナリスト、マイケル・フィッツジェラルドは述べています。
「従量制の保険商品を管理するためには保険数理、商品開発、マーケティング、ITなど幅広いスキルが求められます。こうしたアプローチへの移行を進めている保険会社はケーパビリティの獲得に取り組んでおり、最初から競争上の優位に立てるでしょう」と保険プラクティスのシニア・アナリスト、ホアン・マツィーニは話しています。