2014年欧州債券市場:電子取引の逆襲
2014/09/29
ジョセフィン・ドゥ・シャズルネ
Abstract
本レポートは、2013年10月に発表されたセレントのレポート「2013年欧州債券市場:明るい兆し」に続く、欧州現物債市場の規模と構造を評価する定量的なレポートです。
2012年12月から2013年12月にかけて世界全体債券発行残高は横ばいでしたが、欧州では1.8%、米国およびEMEAでは5%超増加しています。日本の債券発行残高は前年比16%減少しています。
セレントでは、欧州の流通市場での取引は緩やかながら依然として上昇基調にあり、2013年から2014年にかけて3.5%の成長を予測しています。2014年、欧州の国債1日平均売買高は推定720億ユーロで、2013年の680億ユーロから6.1%増加し、欧州の民間債1日平均売買高は前年比8.6%減の130億ユーロと予測します。
「売買両サイドともに民間債市場における流動性問題の解消に意識が集まっていることが2014年の主な傾向です。興味深いことに、新たな流動性プールに接続するためにグローバルに電子取引機能を構築してきたティア 2や3の銀行が市場シェアを獲得してきています」と、シニアアナリストで本レポートの執筆者であるジョセフィン・ドゥ・シャズルネは述べています。