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CDO市場の最新動向

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2005/10/31

Abstract


セレントの予測では、CDO(債務担保証券)の市場規模は、2006年末には2兆米ドル(約226兆円)に迫る見込みです。


CDO市場はその飛躍的な成長と革新性から、デリバティブ業界以外のプレイヤーからも大きな注目を集めています。セレントは、最新レポートCDO市場の最新動向で、同市場の複雑な商品を分かりやすく解説し、様々なCDO商品の主な利点と活用方法の概要を示しています。さらに、CDO市場の地域・商品別規模を示す統計資料、CDOが金融サービス業界に及ぼす影響についての分析、CDOがもたらすIT上の課題なども紹介しています。

CDO取引では通常、特別目的会社を設立して多様な担保資産の証券化商品を販売するスキームが構築されます。数多くの信用事由や、厳しい市場環境にもかかわらず、CDO市場はその革新性ゆえに拡大を続けており、1998年以降は年平均150%増という急成長を実現しています。セレントの推計では、市場全体の規模は現在1兆5,000万米ドル(約170兆円)を超えており、2006年末には2兆米ドル(約226兆円)に迫る見通しです。

新規株式公開やM&A活動が縮小傾向にある中、「CDO市場は今や投資銀行にとって最も高い収益が見込まれる市場の一つになっている」と、セレントのアナリストで本レポートの執筆者であるアクセル・ピエロンは指摘しています。「様々な問題点はあるものの、CDO市場の成長が急激に減速することはないでしょう。」

CDO市場の拡大には、明らかにシンセティック取引の出現が寄与しています。同市場ではシンセティック取引が主流になっており、今日発行されているCDOの75%がシンセティックCDOです。このことは、CDO市場の明らかな進化を示すものです。実際、現時点で最先端商品とされているシングル・トランシェCDOとABS(資産担保証券)を担保資産とするCDOが、目下シンセティックCDO市場のそれぞれ66%、25%を占めています。市場は「要望に応じた」信用リスクをとる方向へと移行しつつあります。すなわち、投資家が商品のリスク・リターン特性を指定し、銀行は「原資産」(債券、ABSなど)をオリジネートした上でポートフォリオのリスク・リターン比率を調整し、新たな商品として顧客に提供しているのです。

「CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)市場に続くシンセティックCDO市場の発展は、信用市場に多大な影響を与え、信用の価値連鎖の再構築を促しています。クレジットデリバティブ市場、特にCDO市場の発展は、リスクマネジメントの価値連鎖における銀行の位置付けを大きく変えたと言えるでしょう」とピエロンは述べています。「中期的には、地方銀行や小規模銀行が(特に貸出を通じて)リスクのオリジネーターに徹する一方、証券会社や投資銀行は取引スキームの構築に専念するでしょう。また、大手銀行や保険会社など様々なプレイヤーが商品の販売を分担するものと思われます。」

本レポートは13図と2表を含む全42ページで構成されています。